盂蘭盆会法師蝉鳴く裏参道
■ 盂蘭盆会法師蝉鳴く裏参道 ( うらぼんえ ほうしぜみなく うらさんどう )今は、お盆の真っ最中であり、自分も昨日墓参りに行ってきた。参道には大勢の人が見られたが、歩いていると油蝉らの蝉時雨に混じってツクツクボウシの忙しない声が聞こえてきた。...
View Article■葉鶏頭 二句
■ 葉鶏頭 二句 ○ ロックだぜビジュアル系の葉鶏頭 ( ろっくだぜ びじゅあるけいの はけいとう ) ○ 歌舞伎者ど派手に決めて葉鶏頭 ( かぶきもの どはでにきめて はげいとう...
View Article剽軽な青瓢箪の括れかな
■ 剽軽な青瓢箪の括れかな ( ひょうきんな あおびょうたんの くびれかな )先日行った京都の植物園には、様々な瓢箪(ひょうたん)が植えてあるところがあり、数多くの瓢箪が棚から垂れ下がっていた。本日の掲句は、その瓢箪の形を改めて見て詠んだ句である。...
View Article土筆とも竹ともいわず木賊立つ
■ 土筆とも竹ともいわず木賊立つ ( つくしとも たけともいわず とくさたつ )旅館や料亭などの前庭などで時々見かける草に木賊(とくさ)がある。この草、外見は竹のミニチュアのようでもあり、伸びすぎた土筆(つくし)のようでもある。 本日の掲句は、そんな木賊が林立している様子を見て詠んだ句である。「木賊」は秋の季語。...
View Article淑やかな撫子強しリオ五輪
■ 淑やかな撫子強しリオ五輪 ( しとやかな なでしこつよし りおごりん )6日に開幕したリオ五輪もいよいよ終盤。ここにきて日本女子レスリングが、6階級で4つの金メダルと1つの銀メダルをとった。伊調馨の4連覇は素晴らしい。吉田沙保里は惜しくも銀メダルだったが、これも立派。...
View Article昨日の夢を残しつ酔芙蓉
■ 昨日の夢を残しつ酔芙蓉 (さくじつの ゆめをのこしつ すいふよう )秋の代表的な花の一つに芙蓉(ふよう)が挙げられる。今方々で、紅色や白色の花が満開になっているのを見ることができるが、面白いのは酔芙蓉(すいふよう)という種。...
View Article新涼や鈴虫花咲く草の道
■ 新涼や鈴虫花咲く草の道 ( しんりょうや すずむしばなさく くさのみち )残暑には、まだ厳しいものがあるが、それでも朝夕は大分涼しくなってきた。こんな気候を俳句では、「新涼(しんりょう)」あるいは「涼新た」といい、初秋の季語になっている。...
View Article咲き継ぐは三月十日や百日草
■ 咲き継ぐは三月十日や百日草 ( さきつぐは みつきとおかや ひゃくにちそう )百日草は、7月初頃から咲いていると思うが、今になっても方々で見られる。名前が百日ぐらい咲くからということでつけられており、宜なるかなではある。...
View Article山川の流れにすがし秋海棠
■ 山川の流れにすがし秋海棠 ( さんせんの ながれにすがし しゅうかいどう )先日、ある日本庭園を訪れた時に、滝が流れている場所で、秋海棠(しゅかいどう)の花が群生しているのを見た。 清らかな水が流れる畔に、薄紅色の花が揺れている景は、何とも清々しい風情を醸し出していた。...
View Article鷺草の白羽連なる沢辺かな
■ 鷺草の白羽連なる沢辺かな ( さぎそうの しらはつらなる さわべかな )鷺草(さぎそう)という草花は、近辺ではなかなか見ることできないが、2週間ほど前に、それをいつも行く植物園で見ることができた。 その草花は、植物をできるだけ自然の状態で見せる植物生態園の小川に植えてあり、丁度花の見ごろを迎えていた。...
View Article爽やかな風の小路や瑠璃茉莉
■ 爽やかな風の小路や瑠璃茉莉 ( さわやかな かぜのこうじや るりまつり )植物の名前には、酷い名前のものもあるが、そうでなくても何でこんな名前になったのかと思うものがある。その一つが紹介する「ルリマツリ」。...
View Article見晴るかす草原見たしパンパスグラス
■ 見晴るかす草原見たしパンパスグラス ( みはるかす そうげんみたし ぱんぱすぐらす )先日、ある広い公園を訪れた時、その一画に巨大な芒(すすき)のような植物を見た。名前は「パンパスグラス」。 ふわふわとした花穂が巨大かつワイルドであり、その印象をそのまま詠んだのが以下の句。 いうなれば芒お化けか パンパスグラス...
View Article■蝉づくし (2016年改訂)
■ 蝉づくし (2016年改訂) ◆蝉を詠んだ句を集め「蝉づくし」にまとめたのは2011年。2013年にそれを一度改訂したが、それからもう3年経過した。その間、10数句新たに詠んだので、何句か入れ替えし、ここに2回目の改訂を行った。...
View Article朝顔や開店待てる民芸店
■ 朝顔や開店待てる民芸店 ( あさがおや かいてんまてる みんげいてん )子供の頃、夏休み中によく見た花だから、朝顔は夏の花という印象が強い。しかし、俳句では秋の季語になっている。立秋が8月7日で、この前後ぐらいに咲く花だから、それはそれで良いのだろう。...
View Article秋風にトレニアそよぐ無邪気かな
■ 秋風にトレニアそよぐ無邪気かな ( あきかぜに とれにあそよぐ むじゃきかな )「トレニア」の花は、夏の初め頃から咲き出し、今も路地や花壇、鉢・プランターなどで、小さな花を一面に咲かせている。 どの花についても言えることだが、、最初の印象というのは意外と忘れがたく、それがその後の句作りに大きな影響を与えることがある。...
View Article襤褸菊の綿毛だらけや蜘蛛の網
■ 襤褸菊の綿毛だらけや蜘蛛の網 ( ぼろぎくの わたげだらけや くものあみ )以前にも記したことがあるが、我が家の狭庭は、そのほとんどを雑草に開放している。とは言っても、梅雨入り前の5月中頃に一度草取りをした。しかし、その後様々な草たちが新たに根付いてきている。...
View Article街中の稲田の稲も黄となんぬ
■ 街中の稲田の稲も黄となんぬ ( まちなかの いなだのいねも きとなんぬ )俳句をやるようになって、立秋、秋分など季節の節目を示す二十四節気(にじゅうしせっき)なるものがあることを知ったが、その他に雑節(ざっせつ)という暦日があることを数年前に知った。...
View Article山牛蒡おのが重さに倒れけり
■ 山牛蒡おのが重さに倒れけり ( やまごぼう おのがおもさに たおれけり )近辺に咲く野草の中で、もっとも図太いものと言えば、真っ先に「洋種山牛蒡(ようしゅやまごぼう)」を思い浮かべる。この野草、昨年、我が家の狭庭にも根付き、茎の太さが5cm、高さ2.5mにもなった。...
View Article