■ 咲き継ぐは三月十日や百日草
( さきつぐは みつきとおかや ひゃくにちそう )
それはそうと、百日とはどれくらいの期間なのか。これが意外と想像がつきにくい。1ヶ月が30日前後だから、大体3ヶ月と10日。だから三月十日(みつきとおか)と言った方がイメージしやすいのではなかろうか。
本日の掲句は、そんなことをつらつら考えて詠んだ句である。「言い換え俳句」「それがどうした俳句」の典型のような句だが、多少面白い要素があるので残すことにした。「百日草」は夏の季語。
ところで、この「三月十日」という言葉だが、ネットで調べて見ると使用例がほとんどない。正確に言うと、「三月十日(みつきとおか)咲く赤い花」という使用例が1件だけ見つかった。その花の名は「百日紅(さるすべり)」。
句を詠んだ時は、三月十日は普通に使われている言葉だと思っていたが、どうもそうではなさそうだ。ただ、百日の言い換えとしては、使えないこともないのではと思うがどうだろう。
話は戻って、「百日草」の関しては、過去に以下の句を詠んでいる。
【関連句】
① 新涼やひたすらに咲く百日草
② 百日草いつの間にやら暮るる秋
本日の掲句の方は夏の句として詠んだのだが、上記の関連句はいずれも秋の季語を添え、秋の句として詠んでいる。
①は、秋の初めの涼しさを感じつつ、ひたすら咲き続けている百日草を見て詠んだ。
②は、晩秋である10月に末に詠んだ句。この時に至っても花の勢いは衰えることがなかった。
百日草は、キク科ヒャクニチソウ属の一年草。その学名からジニアとも呼ばれる。原産地はメキシコ高原。日本には江戸時代末期に渡来したとのこと。
花期は7月~10月と長い。花色には、白、赤、ピンク、オレンジ、黄、緑、複色などがある。また、咲き方には、ダリア咲き、ポンポン咲き、アネモネ咲きなどがある。
「百日草」を詠んだ句はままあり、これまで何句か紹介したこともあるが、以下では、それ以外のものを選定し掲載した。
【百日草の参考句】
物陰や百日草の今もさく (正岡子規)
百日草百日の花怠らず (遠藤梧逸)
色褪せる日の来て週末百日草 (高澤良一)
毎日の百日草と揚羽かな (三輪一壺)
一つ咲き百日草のはじめかな (瀬野直堂)