■祇園祭より 二句
■ 祇園祭より 二句 ○ 宵山や溺るるほどに人の波 ( よいやまや おぼるるほどに ひとのなみ ) ○ 人波を見下ろす山鉾軋みけり ( ひとなみを みおろすやまぼこ きしみけり )...
View Article人恋いの鬼百合揺るる川辺かな
■ 人恋いの鬼百合揺るる川辺かな ( ひとこいの おにゆりゆるる かわべかな )近辺では、百合が植えてあるところが少なく、今年は、ほとんど花を見てないが、鬼百合だけは特別で、今道端や川辺など方々で見かける。どうも鬼百合には人を恋う習性があるのではないかと思われる。...
View Article灼熱の心一途に蝉の恋
■ 灼熱の心一途に蝉の恋 ( しゃくねつの こころいちずに せみのこい )7月18日に近畿地方においても梅雨明けが宣言された。今年はあまり雨が降らなかった感じだが、ひとたび梅雨が明けると急に喧しく聞こえてくるのが蝉の声である。 鳴きだすのは雄で、雌を求めて鳴くのだが、それを「蝉の恋」と表現し、本日の掲句を詠んでみた。...
View Articleペンタスや見上げてごらん夏の星
■ ペンタスや見上げてごらん夏の星 ( ぺんたすや みあげてごらん なつのほし )先日行った植物園では、丁度草花の植え替えがなされていたが、その中で特に目についたのは「ペンタス」の花である。 この花の名前を知ったのは数年前のことだが、最初に見た時の印象は星が散りばめられたような花だということ。星に喩えられる花は沢山あるが、この花は格別で、その印象は今も変わらない。...
View Article色あせて抹茶アイスに柏葉紫陽花
■ 色あせて抹茶アイスに柏葉紫陽花 ( いろあせて まっちゃあいすに かしわばあじさい )7月18日に梅雨が明けてから、最高気温が30度を超える日が続いている。我が家では、クーラーを一応設置しているが、ほとんど使わず、専ら扇風機で涼をとっている。...
View Article謎多き紫御殿は伏魔殿
■ 謎多き紫御殿は伏魔殿 ( なぞおおき むらさきごてんは ふくまでん )俳句ブログを開設してから、もう5年以上経過する。その間もっぱら植物の句を詠み、掲載してきた。いろいろな植物を見るにつけ、それぞれに面白い特徴をもっていることに驚きもし、不思議にも思った。...
View Article■空蝉と木賊 三句
■ 空蝉と木賊 三句 ○ 空蝉の木賊をしかと掴みおり ( うつせみの とくさをしかと つかみおり ) ○ 空蝉のしがみつきたる木賊かな ( うつせみの しがみつきたる とくさかな ) ○ 空蝉の木賊の先の静寂かな ( うつせみの とくさのさきの しじまかな...
View Article人は人屁糞葛は負けません
■ 人は人屁糞葛は負けません ( ひとはひと へくそかずらは まけません )植物の名前で最も酷い名前はというと、やはり「屁糞葛(へくそかずら)」を上げなければならない。実のところ、もっと酷い名前があるではないかと探したことがあるが、これを超えるものはなかった。...
View Article颯爽と大輪開く紅蜀葵
■ 颯爽と大輪開く紅蜀葵 ( さっそうと たいりんひらく こうしょくき )7月始めごろから、近辺でも、鮮紅色の大輪の花、「紅葉葵(もみじあおい)」が見られるようになった。この花を最初に見た時は、その色合いがハイビスカスに似ていて実に夏っぽく華やかな花だと思った。...
View Article強き日にお疲れ気味の向日葵君
■ 強き日にお疲れ気味の向日葵君 ( つよきひに おつかれぎみの ひまわりくん )先週の土曜日、例により2週間ぶりに京都の植物園行ってきた。この時期は2週間もすると花も様変わりし、前回行った時に咲き誇っていた蓮の花は大方散ってしまい、蜂の巣のような花托が並び立っていた。...
View Article子宝を抱くがごとく蘇鉄咲く
■ 子宝を抱くがごとく蘇鉄咲く ( こだからを いだくがごとく そてつさく )植物園に2週間ごとに通っていても、タイミングがずれて、その花の姿が見れてなかった植物がある。それが、本日取り上げた「蘇鉄(そてつ)」の花である。 この植物は、入口から入って直ぐのところに植えてあり、いつも見ていたはずだが、その見事な花姿を見たのは今回が初めてだった。...
View Article■夏空と飛行機雲 二句
■ 夏空と飛行機雲 二句 ○ 夏空にVサインあり×もあり ( なつぞらに ぶいさいんあり ばつもあり ) ○ 夏空や芭蕉は見ざる飛行雲 ( なつぞらや ばしょうはみざる ひこうぐも )先日、街中の大通りの遥か向こうに、飛行機雲がVサインを描いているのを見た。それが、何とも雄大であり、すぐに写真に何枚か撮った。...
View Article大胆に咲いて艶なるタイタンビカス
■ 大胆に咲いて艶なるタイタンビカス ( だいたんに さいてえんなる たいたんびかす )先日行った植物園で特に目立った花に「タイタンビカス」がある。ハイビスカスの花を大きくしたような花で、非常に艶やかな花である。...
View Article病葉の流れによどむ錦かな
■ 病葉の流れによどむ錦かな ( わくらばの ながれによどむ にしきかな )先日、疏水沿いを歩いている時に、川面に色とりどりの落ち葉が重なって、えも言えぬ模様を描いているのを見た。 本日の掲句は、そんな景を見て詠んだ句である。上五の「病葉(わくらば)」とは、「病気や虫のために変色した葉。または、夏の青葉の中にまじって、赤や黄色に色づいている葉。」のこと。夏の季語になっている。...
View Article真白きはミゾレの如き夾竹桃
■ 真白きはミゾレの如き夾竹桃 ( ましろきは みぞれのごとき きょうちくとう )昨日は立秋。暦の上では秋に入るが、ここ数日は最高気温が35度を超える猛暑が続いている。予報では今後も一週間以上は続くようだ。 本日の掲句は、そんな折、真っ白な花を木全体に咲かせた夾竹桃(きょうちくとう)を見て詠んだ句である。...
View Article峰雲のあなたに棲むや水の精
■ 峰雲のあなたに棲むや水の精 (みねぐもの あなたにすむや みずのせい )立秋が過ぎ、俳句の世界では秋になるが、夏を詠んだ句がいくつか残ったので、8月一杯は夏の句も時々混ぜて掲載したい。 本日の掲句もその一つで、取り上げた「峰雲(みねぐも)」は夏を代表する季語。それが鴨川の上流の北山の上に見事な姿を見せていたので、水が少なくなっている鴨川に雨をもたらすことを願って詠んだ。...
View Article花臭木といえど蝶には甘からん
■ 花臭木といえど蝶には甘からん ( はなくさぎと いえど ちょうには あまからん )夏の終わりから秋にかけて咲く花に「臭木(くさぎ)」という花がある。ただ、この花、名前の響きが良くなく、花もあまり見栄えがしないので、これまで句に詠んだことがなかった。...
View Articleゆるゆるとスローライフや川蜻蛉
■ ゆるゆるとスローライフや川蜻蛉 ( ゆるゆると すろーらいふや かわとんぼ )川蜻蛉の一種である羽黒蜻蛉(はぐろとんぼ)は、7月初頃から川べりなどで見られるようになり、今もよく見かける。この蜻蛉は、翅が真っ黒で、それをひらひらと蝶のように動かしながら飛ぶ。...
View Article実石榴や宇宙遊泳夢の夢
■ 実石榴や宇宙遊泳夢の夢 (みざくろや うちゅうゆうえい ゆめのゆめ )石榴(ざくろ)の木は、あまり知られていないようだが、近辺では何か所かで見ることできる。この木は、6月頃に金魚のような紅い花を咲かせ、10月頃に真っ赤に実が熟し、最後にはぱっくりと割れる。...
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