■ 淑やかな撫子強しリオ五輪
( しとやかな なでしこつよし りおごりん )
6日に開幕したリオ五輪もいよいよ終盤。ここにきて日本女子レスリングが、6階級で4つの金メダルと1つの銀メダルをとった。
伊調馨の4連覇は素晴らしい。吉田沙保里は惜しくも銀メダルだったが、これも立派。
本日の掲句は、その偉業を称え詠んだ句である。
清楚で慎ましやかではあるが、凛とした強さを秘めている、そんな日本女子を「大和撫子(やまとなでしこ)」というが、まさにその姿を体現してくれた感じがする。
尚、「撫子」は、夏の中頃から咲き始めているが、秋の七草の一つで、秋の季語。
因みに「撫子」に関して過去に以下の句を詠んでいる。
【関連句】
① 宵山の俄か撫子しとやかに *俄か(にわか)
② しなやかに楚々ときめたり大和撫子
① 宵山の俄か撫子しとやかに *俄か(にわか)
② しなやかに楚々ときめたり大和撫子
①は、祇園祭の宵山に浴衣姿の女性を見た時に詠んだ句。
②は、4年前のロンドン五輪で、サッカーの「なでしこジャパン」が見事にゴールを決めたシーンを見て詠んだ句。この五輪では銀メダルをとった。
撫子は、ナデシコ科ナデシコ属の植物の総称。一般的には、河原撫子(かわらなでし)のことを指す。
河原撫子は、日本に古くから自生している多年草。花期は6~9月。花色は、淡紅色が一般的だが白色も多い。
撫子の名前の由来は、花の色や姿から、愛児に擬して「撫でるように可愛いい子」→「撫でし子」になったという説が有力である。
「大和撫子(やまとなでしこ)」は「河原撫子」の異名で、中国原産の「石竹(せきちく)」=「唐撫子(からなでしこ)」など外来種のものと区別するために用いられたと言われている。
「撫子」を詠んだ句は結構あるが、その中から比較的イメージしやすいものを選定し以下に掲載した。
【撫子の参考句】
酔うて寝ん撫子咲ける石の上 (松尾芭蕉)
撫子や海の夜明の草の原 (河東碧梧桐)
撫子や堤ともなく草の原 (高浜虚子)
撫子やただ滾々と川流る (山口青邨) *滾々(こんこん)
岬に咲く撫子は風強ひられて (秋元不死男)