■ 色あせて抹茶アイスに柏葉紫陽花
( いろあせて まっちゃあいすに かしわばあじさい )
7月18日に梅雨が明けてから、最高気温が30度を超える日が続いている。
我が家では、クーラーを一応設置しているが、ほとんど使わず、専ら扇風機で涼をとっている。
しかし、これだけ暑くなると、暖かい空気が部屋を回転するだけでほとんど涼しくならない。
だから、首にアイスベルトをまいたり、水で顔を洗ったり、アイスクリームやシャーベットを食べたりと大変である。
本日の掲句は、そんな状況と多少関連させて詠んだものだが、色あせた柏葉紫陽花(かしわばあじさい)を実際に見るか、右のような写真を見なければ全く想像もつかない句である。
柏葉紫陽花(かしわばあじざい)の白い花については、去る 6月7日のブログで取り上げたが、本紫陽花のように手毬状にならず、円錐状に花をつける。その様子を、以下の句に詠んだ。
とんがってソフトのごとく柏葉紫陽花
*柏葉紫陽花(ソフトクリーム)6月4日撮影
花の様子がソフトクリームのようだというのが句意。その花が色あせれば、常識的には、薄茶色に変色すると思われがちだが実はそうではない。上右の写真のように緑色に変色する。
掲句は、その様子を詠んだもので、白色のソフトクリームから抹茶アイスに変化したことを驚きをもって詠んだもの。
そもそも、これだけの説明を要するものが句と言えるかどうか、疑問に思われる方もいると思うが、ここでは問わない。「柏葉紫陽花」は「紫陽花」の一種であり夏の季語。
因みに、なぜ緑色になるかというと、花と見られる部分がもともと葉が変化した萼(がく)で、そこに葉緑体が残っていることが関係すると言われている。
だから、白色の花だけでなく、赤や青などその他の色の紫陽花も同様に緑色になる。
それでは、その後どうなるかというと、次第に赤味を帯びてきて、最終的には茶色になりドライフラワー状態になる。ただ、よく手入れされている所では、こうなる前に剪定されるため、ほとんど見ることができないようだ。
柏葉紫陽花は、アジサイ科アジサイ属の落葉低木。北アメリカ原産。古くから日本にもあったようだが、最近になってよく見かけるようになった。花期は5月~7月。
名前は、葉に大きくて深い切れ込みが入り、その姿が柏(かしわ)の葉のように見えるところから付けられたとのこと。晩秋になると、葉は深みのある赤色に色づく。
「紫陽花」を詠んだ句は非常に多いが、特別に「柏葉紫陽花」で詠んだ句は見つからなかっので、参考句は割愛する。