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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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峰雲のあなたに棲むや水の精

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■ 峰雲のあなたに棲むや水の精
          (みねぐもの あなたにすむや みずのせい )

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立秋が過ぎ、俳句の世界では秋になるが、夏を詠んだ句がいくつか残ったので、8月一杯は夏の句も時々混ぜて掲載したい。

本日の掲句もその一つで、取り上げた「峰雲(みねぐも)」は夏を代表する季語。

それが鴨川の上流の北山の上に見事な姿を見せていたので、水が少なくなっている鴨川に雨をもたらすことを願って詠んだ。

句調については、カール・ブッセ作上田敏訳の「山のあなた」という詩を多少意識した。

「峰雲」とは、聳え立つ山並みのようにわき立つ積乱雲のことで「雲の峰」とも言う。俗称で知られる「入道雲」は、坊主頭の妖怪の意。

また、各地方に独特の呼び名があり、京都では「丹波太郎」「山城次郎」「比叡三郎」と呼ぶそうだ。

更に、関東では「坂東太郎」、九州では「筑紫二郎」、四国では「四国三郎」と呼ぶとのこと。


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因みに、「峰雲」「雲の峰」「入道雲」では、過去に以下の句を詠んでいる。

    【関連句】
    ① 峰雲を突き抜き光る大日輪
    ② どっかりと琵琶湖見下ろす雲の峰
    ③ うだる街覗き込むごと入道雲

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①は、峰雲を突き抜けて射す太陽の姿に、神々しさを感じて詠んだ句。
②は、比叡山に登り、琵琶湖の上に
どっかりと浮かんだ雲の峰を眼下に見て詠んだ。
③は、うだるような夏のある日、京都の街を覗き込むように高く盛り上がった入道雲を見て詠んだ。

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「峰雲」「雲の峰」「入道雲」などを詠んだ句は非常に多いが、今回は特に「峰雲」で詠んだものに限定して、いくつか以下に掲載した。

    【峰雲の参考句】
     乳母車帰る峰雲ばら色に     (橋本多佳子)
     峰雲にかさなりそだつ峰雲あり  (篠原梵)
     峰雲を生みつぐ海の力業     (原裕)
     峰雲に招待席のあるごとし     (大木あまり)
     峰雲にあつけらかんと下着干す (北野民夫)

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