花韮も百花に紛れ咲き乱る
■ 花韮も百花に紛れ咲き乱る ( はなにらも ひゃっかにまぎれ さきみだる )近辺の桜も、昨夜あたりから散る量が多くなってきた。どうも今がピークでこれから1週間ほどは桜吹雪が続くと思われる。 そんなおり、下の方に目線をやると、目に入ってくるのが花韮(はなにら)の花。まるで桜と競うがごとく群れ咲いている。...
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■ 愛でらるることはなくとも花楓 ( めでらるる ことはなくとも はなかえで )近辺の桜もピークを迎え、散って地を覆う花びらも多くなってきた。今は、そんな桜をはらはらして眺めるばかりだが、目を転じれば、人知れず花を咲かせている植物がある。...
View Article鳴きもせで蔓延る烏野豌豆
■ 鳴きもせで蔓延る烏野豌豆 (なきもせで はびこる からす のえんどう)昨日、今日と青空も見えるようになってきた。桜はやはり曇り空よりも青空をバックにした方がぐっと映え、薄紅色がみのる殊に美しい。 その桜については、後日また取り上げるとして、今日は、そんな華やかな情景を余所に、野に蔓延(はびこ)る「烏野豌豆(からすのえんどう」)を取り上げたい。...
View Article花吹雪ああ花筵花筏
■ 花吹雪ああ花筵花筏 ( はなふぶき ああ はなむしろ はないかだ )京都市内で桜(染井吉野)の開花宣言が出されたのは、3月31日。平年より3日遅く、昨年より8日遅い宣言だった。 その後、近辺の桜も8日頃に満開となったが、その直後から花が散り始め、先週の土曜日(15日)には、半分以上が散ってしまった。 本日の掲句は、その時に詠んだ句である。...
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■ 鴨川や柳に桜しだれ揺る ( かもがわや やなぎに さくら しだれゆる )各地域には、古くから愛されてきた河川があると思うが、京都市内であれば真っ先に挙げられるのが鴨川である。 かつては、氾濫を繰り返す暴れ川として知られていたが、今は河川敷公園が整備され、市民および観光客の憩いの場となっている。...
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■ 落椿命幽し苔の上 ( おちつばき いのちかそけし こけのうえ )近辺の桜はほとんど散ってしまい、川面に浮かぶ花筏(はないかだ)もだんだんと少なくなってきた。 いつものことだが、桜の開花から散るまでは、あっという間の出来事であり、暫くは「さくらロス」状態が続く。...
View Article古寺の裏や紫雲英の花の苑
■ 古寺の裏や紫雲英の花の苑 ( ふるでらの うらや げんげの はなのその )まだ幼かった頃は、田んば一面に蓮華草(れんげそう)が咲いているのをよく見かけたが、最近はほとんど見かけない。...
View Article花木五倍子垂れて蒼天賑々し
■ 花木五倍子垂れて蒼天賑々し ( はなきぶし たれて そうてん にぎにぎし )先日ある神社に行った時、入口の鳥居前で、簪(かんざし)のような花を沢山垂らしている樹木に出会った。名前は「木五倍子(きぶし)」というが、数年前にその名を知った。...
View Articleふくよかな八重の桜や愛でるべし
■ ふくよかな八重の桜や愛でるべし ( ふくよかな やえのさくらや めでるべし )先週の土曜日、例により2週間ぶりに植物園に行ってきた。この時期は、本当に花の移り変わりが早く、かなりの花が入れ替わっていた。...
View Article山道に三葉躑躅や色清し
■ 山道に三葉躑躅や色清し ( さんどうに みつばつつじや いろきよし )街路樹として植えられている躑躅(つつじ)がぽつりぽつりと開花しだした。この花が満開になると、いよいよ春も終盤を迎える。 ところで、躑躅の中には、3月中頃から薄紫の花をつけるものがある。名前は「三葉躑躅(みつばつつじ)」。...
View Article錨草「インベーダー」に似たるかな
■ 錨草「インベーダー」に似たるかな ( いかりそう 「いんべーだー」に にたるかな )錨草(いかりそう)は、数年前に植物園で見て知った草花である。第一印象は、何と奇妙な形をした花なんだろうというもの。 見慣れないこともあり、直ぐには句に詠めなかったが、昨年以下の句を詠んだ。 蜘蛛の子を散らすがごとく錨草...
View Article新天地求め川辺にフリージャー
■ 新天地求め川辺にフリージャー ( しんてんち もとめ かわべに ふりーじゃー )先日、近くの疏水べりにフリージア(フリージャー)の花が群生しているのを見た。この花は、見るからに園芸植物なのだが、狭いプランターを飛べ出し、ここを新天地として生育しているのだろう。...
View Article■ 富士五湖(1) 二句
■ 富士五湖(1) 二句 ○ 富士五湖の三週遅れの花見かな ( ふじごこの さんしゅうおくれの はなみかな ) ○ 露天湯や富士の残雪しばし見て ( ろてんゆや ふじのざんせつ しばしみて )一昨日から一泊二日で富士五湖と富士山をめぐるバスツアーに行ってきた。今日と明日は、そこで詠んだ句と記事を掲載したい。...
View Article■富士五湖(2) 二句
■ 富士五湖(2) 二句 ○ 富士五湖の朝や鶯森を裂く ( ふじごこの あさや うぐいす もりをさく ) ○ 富士の雲さっと晴らせよ春疾風 ( ふじのくも さっとはらせよ はるはやて )...
View Articleアメリカは遠くて近き花水木
■ アメリカは遠くて近き花水木 ( あめりかは とおくてちかき はなみずき )桜が散ってしまった頃から急速に目立ってきた花がある。それは「花水木(はなみずき)」。京都でも、街路樹として植えてある場所が結構あり、今が盛りとなっている。...
View Articleひたぶるにただ天に向く松の花
■ ひたぶるにただ天に向く松の花 ( ひたぶるに ただてんにむく まつのはな )今、人知れず咲いている花に「松の花」がある。人知れずと言っても大抵の人は見ているはずだが、花と認識されていないせいか、ほとんど注目されない。...
View Article行く春や犬ふぐりまだ元気なり
■ 行く春や犬ふぐりまだ元気なり ( ゆくはるや いぬふぐりまだ げんきなり )「犬ふぐり」と言えば、春を告げる野草の一つであり、2月の中頃に以下の句を詠んだことがある。 野にも出よ早も元気に犬ふぐり その「犬ふぐり」が、先日行った植物園では、まだ所々に繁茂しており、あの透き通るような青い花を咲かせていた。...
View Articleたぎり落つる滝のごとくに山の藤
■ たぎり落つる滝のごとくに山の藤 ( たぎりおつる たきのごとくに やまのふじ )先日、久しぶりに近くの古寺に行ったら、高木に絡まりながら咲いている藤の花に出会った。そう言えば、昨年の今頃も同じような情景を見て以下の句を詠んでいる。 樹上より滝降るごとく山の藤...
View Article古池の石楠花赤き小寺かな
■ 古池の石楠花赤き小寺かな ( ふるいけの しゃくなげあかき こでらかな )今日は「子供の日」。「立夏」の日でもあり、暦の上では夏に入るとよく言われる。...
View Article牡丹みて蝶よ来いよと思いけり
■ 牡丹みて蝶よ来いよと思いけり ( ぼたんみて ちょうよこいよと おもいけり )先週の金曜日、例により2週間ぶりに植物園に行ってきた。今回のお目当ては、牡丹(ぼたん)と芍薬(しゃくやく)。...
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