■ 富士五湖(2) 二句
○ 富士五湖の朝や鶯森を裂く
( ふじごこの あさや うぐいす もりをさく )
○ 富士の雲さっと晴らせよ春疾風
○ 富士の雲さっと晴らせよ春疾風
( ふじのくも さっとはらせよ はるはやて )
▼河口湖畔のホテルの森
二日目は、朝6時頃に起きて、周辺の森を散策した。すでにかなり明るくなっていたが、歩いている人は誰もいない。
そうこうしていると、深閑としていた森を引き裂くように、鴬が甲高い声で鳴きはじめた。
本日の掲句の第一句は、その時の様子を詠んだものである。美しい鶯の声に酔いしれるというよりも、その声が頭の芯にまで響き、目を覚まさせた。
散策の後、朝食を食べ、9時頃にホテルを出て、バスで河口湖の大石公園に向かう。空は曇っていて、果たして富士山が見えるかどうか。
そんな不安を抱きながら、現地について見たのは、やはり頂上が雲で覆われた富士山。昨日見た富士山とほとんど状況は変わらない。
あの頂上の雲を風で吹き飛ばしてくれないものか。そんなことを願いつつ、暫く辺りを散策していると奇跡は起こった。
富士山の頂上の雲が、どういうわけか急に晴れたのである。これぞ富士山。雲がかかった富士山とは雲泥の差の威容である。
▼河口湖より
本日の掲句の第二句は、「雲を晴らせ」という願いを詠んだ句。その願いが天に通じて、富士山がその雄姿を見せてくれた。これだけで、このツアーに参加した甲斐があったと思った。
以下、河口湖で撮った写真を何枚か続けて掲載する。
*河口湖より
▼河口湖より
▼河口湖より
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以下、その三湖から撮った富士山の写真を掲載する。
▼西湖より
▼精進湖より
ツアーの最後に、本栖湖近くで開催されていた「富士芝桜まつり」を見た。芝桜はまだ三分咲きだったが、華やかな春を彩っていた。
二日通して、すかっと晴れる日はなかったが、雨が降らなかったのは幸いだった。富士山の全容は一時しか見れなかったものの、それなりに楽しむことができた。
▼富士芝桜まつり