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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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古池の石楠花赤き小寺かな

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■ 古池の石楠花赤き小寺かな                     
                                    ( ふるいけの しゃくなげあかき こでらかな )

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今日は「子供の日」。「立夏」の日でもあり、暦の上では夏に入るとよく言われる。

ところで、この「暦の上では」と聞いた時、何か違和感を感じたことがないだろうか。暦とは、旧暦のこと?と思われている方も多いと思うが実は違う。

調べて見ると、この「暦」とは江戸時代の日めくり暦に由来するそうだが、そこに記載されていた「二十四節気(にじゅうしせっき)」が関係するとのこと。

二十四節気とは、中国の戦国時代の頃に大陰暦(月の満ち欠けの周期を基にした暦)による季節のズレを正すために考案された季節の区分法。

一年を太陽の黄道上の視位置によって24等分して季節を区分するため、毎年ずれることはない。旧歴、新暦の月日の呼称は違っても実体は同じ時期を示す。

「夏至」「冬至」「春分」「秋分」や「立春」「立夏」「立秋」「「立冬」などは全てこの二十四節気を構成する区分。

上記の利点もあり、俳句の世界でも季語を分類する時など、この二十四節気を活用してきた。だから、本日をもって、俳句は夏モードに入るということになる。
*一部には、新暦で季節区分をし、季語の分類を見直す動きもあるが、ここで詳細は触れない。


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さて、前書きがかなり長くなったが、本日取り上げた「石楠花」は、春の花なのか夏の花なのか。

恐らく俳句をやらない人は、春の花だと答えられるだろう。しかし、季語では立夏を過ぎた頃に盛りになるということで夏に分類される。


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本日の掲句は、その石楠花が、ある小寺の古池の畔で赤い花を咲かせていたのを見て詠んで句である。

石楠花は、躑躅(つつじ)のように隙間なく咲くのでなく、いくつのかの花が毬のように固まって咲く。その花姿が古池にマッチして、しっとりした美しさを醸しだしていた。


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因みに、石楠花に関しては、過去に以下の句を詠んでいる。

   【関連句】
    ① 山盛りに石楠花咲くや疎水べり
    ② ポンポンでファイトファイトと石楠花の花

①は、毬のような石楠花が幾つも重なり合って咲いている姿を詠んだもの。②は、ロンドンオリンピックが開催された2012年に詠んだもの。石楠花をチアリーダーが手に持つ「ポンポン」に見立てた。


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石楠花(石南花とも書く)は、ツツジ科ツツジ属シャクナゲ亜属の常緑広葉樹。原産地はネパールのヒマラヤなどで、日本に自生するものは、かなり高い山や渓谷に咲く。

現在は、西洋石楠花が園芸品種に改良され、庭園や庭にも植えられている。花は、派手で大きく、花色は、白、ピンク、赤、赤紫、黄色など。開花時期は、品種により違うが、4月頃~6月頃。

記事が長くなったので、参考句は割愛する。

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