■ 錨草「インベーダー」に似たるかな
( いかりそう 「いんべーだー」に にたるかな )
見慣れないこともあり、直ぐには句に詠めなかったが、昨年以下の句を詠んだ。
蜘蛛の子を散らすがごとく錨草
この句は、花の形に着目して詠んだもの。よく見れば蜘蛛が沢山集まっているようにも見え、ふと「蜘蛛の子を散らす」という成句を思い出して詠んだ。
「蜘蛛の子を散らす」とは、「大勢の者が四方八方に散って逃げる様子」をいう。YouTubeにその様子がアップされているので、興味のある方は、検索してご御覧いただきたい。
但し、虫が嫌いな方は見ない方が良いだろう。
本日の掲句は、その花の様子を今度は「インベーダー」に喩えて詠んだもの。「錨草」は「碇草」とも書き、春の季語。
*ネットより
このゲームは、株式会社タイトーが1978年(昭和53年)に発売したシューティングゲームで、世界中で大ヒットした。
ゲームセンターだけでなく、喫茶店にも設置され、暇つぶしに時々遊んだことを覚えている。
このゲームの成功により、その後、様々なゲームが開発され、ゲームセンターも一時隆盛を極めたが、その後コンピュータゲームなどの登場により廃れていく。
話は戻って、錨草(碇草とも書く)は、メギ科イカリソウ属 の落葉多年草。原産地はアジア、南ヨーロッパ。通常、森林に自生するが、園芸用や薬用に栽培されることもある。
花期は4月~5月。花は、4枚の花弁が距(きょ)を突出し錨のような特異な形をしている。名前はこれに由来する。花色には紅紫、白、黄などがある。
*距:花の萼や花冠の基部近くから突出した部分。通常その内部に蜜腺がある。
あまり見かけないせいか、「錨(碇)草」を詠んだ句は少ないが、ネットで見つけたいくつかの句を以下に掲載した。
【錨(碇)草の参考句】
いかり草むかしもいまも水祀り (佐藤鬼房)
碇草生れかはりて星になれ (鷹羽狩行)
錨草山に咲き出て海の色 (高橋悦男)
うつむくは負けの姿よ錨草 (檜紀代)
錨草錨とならず咲きにけり (森田君子)
*本記事は日時指定投稿です。今日より小旅行に出かけますので、コメントの返信は明後日以降になります。ご了承ください。