水澄むや安穏として白き鯉
■ 水澄むや安穏として白き鯉 ( みずすむや あんのんとして しろきこい )先日、久しぶりに近くの寺を訪れた。この寺には大きな池があり、数匹の鯉が飼われているが、黒い鯉に混ざって一匹だけ白い鯉がいる。...
View Article型どおりでは詰らないこともあり菊花展
■ 型どおりでは詰らないこともあり菊花展 ( かたどおりでは つまらないこともあり きっかてん ) *福助仕立て今日は立冬(りっとう)。暦の上では冬に入ることになる。しかし、秋を象徴する紅葉などは、これからという段階であり11月中は秋の句も織り交ぜて掲載したい。...
View Article秋日和突然ですが飛行船
■ 秋日和突然ですが飛行船 ( あきびより とつぜんですが ひこうせん )先の土曜日は、すっきりとした晴天に恵まれ、秋らしい爽やかな天候だった。この日は、2週間ぶりに植物園に行ったのだが、その帰りに鴨川べりを歩いていると大文字山の上方に飛行船が見えた。...
View Article木漏れ日に光るものあり冬蕨
■ 木漏れ日に光るものあり冬蕨 ( こもれびに ひかるものあり ふゆわらび )先の土曜日、植物園に行ったことは前記事では述べたが、残念ながらそれほど目新しいものはなかった。 花としては、菊花展の菊の他、薔薇や秋桜、アメジストセージなどが目についたが、これらは、既に本ブログでも紹介している。...
View Article冬天に鴉が騒ぐ何やらん
■ 冬天に鴉が騒ぐ何やらん ( とうてんに からすがさわぐ なにやらん )昨日は、アメリカの大統領選挙があり、トランプ氏が勝利して第45代大統領になることになった。当初から暴言が多くて問題視され、事前の世論調査ではクリントン氏が優勢とされていたが、その予想を大きく翻しての当選。さてこれからどうなるか。...
View Article小春日に小鷺揃うて羽繕い
■ 小春日に小鷺揃うて羽繕い ( こはるびに こさぎそろうて はづくろい )昨日は黒い鴉を取り上げたが、今日は白鷺を取り上げたい。 8日の記事で、先週の土曜日、鴨川べりを散策し飛行船を見たと書いたが、それと同日同時刻に、川の中州に沢山の白鷺が屯して、忙しなく羽繕いをしているのを見た。...
View Article太閤も愛でし有馬の紅葉かな
■ 太閤も愛でし有馬の紅葉かな ( たいこうも めでしありまの もみじかな )昨日は、バスツアーで、兵庫県の有馬温泉に行ってきた。とは言っても、今回の目的は、温泉に入ることではなく、近辺の紅葉を見物すること。京都を9時頃出発し、途中神戸港のクルーズを楽しみ、現地には昼過ぎに着いた。...
View Articleこの道は山茶花山茶花つづきけり
■ この道は山茶花山茶花つづきけり ( このみちは さざんかさざんか つづきけり )冬の季節は、花を咲かせる木は数えるほどしかないが、その代表的な花と言えば、やはり山茶花(さざんか)を真っ先に挙げる。 近所の散歩道には、その山茶花が結構植えられており、今は、その花だけが紅葉をバックに咲き乱れ、辺りを和ませている。...
View Article掃き終えし路にまた降る落葉かな
■ 掃き終えし路にまた降る落葉かな ( はきおえし みちにまたふる おちばかな )昨年から、毎朝、家の前道の落葉掃きをするようになった。それまでは、お隣の奥さんが、ついでにやってくれていた。しかし、身体の具合が悪くなりできなくなったので、自分がこれまでのお返しも兼ねてお隣の分までやるようになった。...
View Articleサフランの嫋々として明けの道
■ サフランの嫋々として明けの道 ( さふらんの じょうじょうとして あけのみち )「サフラン」という名前をどこかで聞いたという人は多いと思うが、実際に花を見たという人は少ないのではないだろうか。かくいう自分も、その花を見たのは数年前。たまたま通った道端の花壇に植えてあった。...
View Article大学祭威容の銀杏散りしきる
■ 大学祭威容の銀杏散りしきる ( だいがくさい いようのいちょう ちりしきる )京都は大学の街とよく言われているが、あるのは33校で都道府県別では全国7位。(2013年調べ)ただ、都市別にみると京都市は東京23区についで2位となり、何と市民の10人に1人が大学生だそうだ。...
View Article去来碑の陰を照らせる石蕗の花
■ 去来碑の陰を照らせる石蕗の花 ( きょらいひ のかげをてらせる つわのはな )先日、冬季の代表的な花として「山茶花(さざんか)」を取り上げたが、草本で代表するものと言えば「石蕗(つわぶき)」を上げなければならないだろう。...
View Article寒蘭の奧もゆかしき容かな
■ 寒蘭の奧もゆかしき容かな ( かんらんの おくもゆかしき かたちかな )先の日曜日、例により2週間ぶりに植物園に行ったところ、たまたま「寒蘭展」が催されていた。春蘭は見たことがあるが、寒蘭は見たことがなかったので、とりあえず展示室に入った。...
View Article冬天に威風堂々皇帝ダリア
■ 冬天に威風堂々皇帝ダリア ( とうてんに いふうどうどう こうていだりあ )先日行った植物園では、花らしい花はほとんど見られなかった。ただ、「四季彩の丘」という花壇では、違和感さえ感じさせるほどの大きな花を沢山咲かせている「皇帝ダリア」が見られた。...
View Article伝えたきことあればこそ蔦紅葉
■ 伝えたきことあればこそ蔦紅葉 ( つたえたき こと あればこそ つたもみじ )蔦(つた)という植物は、巻きひげの吸盤で樹木や壁を「伝(つた)って」伸びる。そのことから名前が「つた」になったと言われている。...
View Articleおしなべて冬の桜は淋しかり
■ おしなべて冬の桜は淋しかり ( おしなべて ふゆのさくらは さみしかり )冬に桜を初めて見た時は、桜の狂い咲きかと思った。しかし、後に冬に咲く桜だと知り、近辺でも何か所かで咲いているのが確認できた。 先日も、ある寺の境内で、数本の冬桜がパラパラと花を付けているのを見た。ただ、華やかであるものの、何となく淋しい感じがした。...
View Article憐れなる破れかぶれや枯れ蓮
■ 憐れなる破れかぶれや枯れ蓮 ( あわれなる やぶれかぶれや かれはちす )先日訪れた植物園では紅葉がまだ残っていたが、葉っぱがすっかり散ってしまった裸木も多く見られた。此処もだんだんと冬らしい荒涼とした景が広がってきた感じである。...
View Article裸木に電線絡む街路かな
■ 裸木に電線絡む街路かな ( はだかぎに でんせんからむ がいろかな )銀杏(いちょう)の黄葉、落葉などは、まだこれからという所も多いが、桜、梅などはすっかり葉を落として、ほとんどが裸木となっている。 本日の掲句は、そんな裸木に電線が絡まるように重なって見える景を見て詠んだ句である。「裸木」は「枯木」「冬木」などと同様に冬の季語。...
View Article我が庭に飛来の南天赤極む
■ 我が庭に飛来の南天赤極む ( わがにわに ひらいのなんてん あかきわむ )以前、我が家の狭庭は、野草(雑草)に開放しているので、毎年いろいろな野草が生えると記事に書いたことがある。 実のところ、野草だけでなく樹木も何種か根付いて今も生長している。その一つが本日取り上げた「南天(なんてん)」。...
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