花くちなし甘き匂いで誘いけり
■ 花くちなし甘き匂いで誘いけり ( はなくちなし あまきにおいで さそいけり )このところ、空は一面雲に覆われ、時折弱い雨が降る日が続いている。今朝も同じような空模様だったが、気温が22-3度で、ほど良い湿り気もあり心地よかった。...
View Articleわくら葉の一足先の紅葉かな
■ わくら葉の一足先の紅葉かな ( わくらばの ひとあしさきの もみじかな ) 今、散歩道の樹木は、すっかり夏の青葉に覆われているが、その中に赤や黄色に色づいている葉を時々見かける。この葉のことを「わくらば」と言い、漢字では「病葉」と書く。このことを知ったのは数年前だが、美しくも見える葉が、病(やまい)の葉とは、何とも憐れである。...
View Article街角の華燭の花よのうぜん花
■ 街角の華燭の花よのうぜん花 ( まちかどの かしょくのはなよ のうぜんかずら )近くの住宅街を歩いていると、時折塀越しに咲いた「凌霄花(のうぜんかずら)」の花を見かける。この花、濃いオレンジ色のラッパ状の花で、沢山の花を咲かすと、実に華やかである。...
View Articleさながらに宇宙の花か額紫陽花
■ さながらに宇宙の花か額紫陽花 ( さながらに うちゅうのはなか がくあじさい )梅雨時を彩る花といえば、何といっても紫陽花(あじさい)である。今、その花が盛りを迎えており、方々で華やかな花の景を見ることができる。...
View Article見上げれば紅透けてあり合歓の花
■ 見上げれば紅透けてあり合歓の花 ( みあげれば べにすけてあり ねむのはな )家から少し離れた散策路に、高さ10mほどもある大きな合歓(ねむ)の木が3本植えてあり、先日久しぶりに行ったら、化粧用の刷毛(はけ)に似た、薄いピンク色の花を咲かせていた。見上げると、かなり上方にも咲いていて、緑の葉をバックに淡く透けて見えた。...
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■ 姫百合の真っ赤く咲きぬ静けさよ ( ひめゆりの まっかくさきぬ しずけさよ ) 姫百合(ひめゆり)という花の名前は、「ひめゆりの塔」という映画のタイトルなどから知っていたが、実際に見たことがなかった。先日行った植物園で、その姫百合が咲いているのを思いがけなく見ることができ、その花の可憐さに心が奪われた。...
View Article梔子や色あせたれど香を残し
■ 梔子や色あせたれど香を残し (くちなしや いろあせたれど かをのこし)梔子(くちなし)の花は、咲いた時は純白できれいなのだが、数日たつと薄い茶色が白に滲(にじ)んできて、最後は汚れた雑巾のような色になって萎(しお)れてしまう。...
View Article■祇園祭宵山 三句
■祇園祭宵山 三句 宵山や鉾を仰ぎて人の波 ( よいやまや ほこをあおぎて ひとのなみ ) 宵山や人波尽きぬビルの谷 ( よいやまや ひとなみつきぬ びるのたに ) ビルの闇祇園ばやしの音響く ( びるのやみ ぎおんばやしの おとひびく )...
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