■ わくら葉の一足先の紅葉かな
( わくらばの ひとあしさきの もみじかな )
( わくらばの ひとあしさきの もみじかな )
そのことを知って以来、この病葉をよく見るようになったのだが、注目して見ると、黄色や橙色に色づいたものなどたくさん目に入ってくる。先日も、青葉に混じって秋の紅葉のように鮮やかに色づいている病葉を見た。
上句は、その時の景を詠んだ句だが、上五の「わくら葉」は、漢字でなくひらがなとし、中七の「一足先の」という言葉に、少しセンチメンタルな情感を込めた。「わくらば」「病葉」は、夏の季語。因みに昨年は以下のように詠んだ。
関連句: 万緑に わくら葉赤く輝けり
(2012/6/28作)
今年の句と趣向は似ており、病葉の早すぎる最後の輝きを詠んだものである。
【参考句】
病葉の落つや今年も早半ば (高橋淡路女)
雨のごと降る病葉の館かな (杉田久女)
病葉の黄にちり朱に散りかかり (皆吉爽雨)
病葉をおとしおとして梅古木 (山口青邨)
病葉のいささか青み残りけり (野村喜舟)
病葉の黄にちり朱に散りかかり (皆吉爽雨)
病葉をおとしおとして梅古木 (山口青邨)
病葉のいささか青み残りけり (野村喜舟)