■ 街角の華燭の花よのうぜん花
( まちかどの かしょくのはなよ のうぜんかずら )
近くの住宅街を歩いていると、時折塀越しに咲いた「凌霄花(のうぜんかずら)」の花を見かける。この花、濃いオレンジ色のラッパ状の花で、沢山の花を咲かすと、実に華やかである。
上句は、凌霄花が咲き誇る印象を、その「華燭」になぞらえ詠んだ句である。尚、「華燭」というのは、文字通り「華やかなともし火」という意味だが、「結婚の席にともす灯。また、婚礼。」という意味で使われることが多いらしい。「華燭の典(式)」といえば結婚式のことをいうそうだ。「凌霄花」は、「のうぜん花」「のうぜんの花」「のうぜん」などとともに夏の季語。
因みに昨年は、凌霄花の咲き様をシャンデリアに例えて以下のように詠んだ。
関連句: 華麗なるシャンデリアかなのうぜんの花 (2012/7/9作)
凌霄花は、ノウゼンカズラ科ノウゼンカズラ属の落葉つる性落葉樹。中国原産で平安時代に渡来したといわれている。花期は7月~8月。
【参考句】
塵取に凌霄の花と塵すこし (高野素十)
大木を借りてのうぜんかづらかな (中谷喜美子)
名も知らぬ木に凌霄のさかり哉 (正岡子規)
のうぜんの花を数へて幾日影 (夏目漱石)
のうぜんの花の明りに蜑の家 (今井杏太郎) *蜑(あま)
塵取に凌霄の花と塵すこし (高野素十)
大木を借りてのうぜんかづらかな (中谷喜美子)
名も知らぬ木に凌霄のさかり哉 (正岡子規)
のうぜんの花を数へて幾日影 (夏目漱石)
のうぜんの花の明りに蜑の家 (今井杏太郎) *蜑(あま)