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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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楚々として鉄砲百合とは勇ましき

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■ 楚々として鉄砲百合とは勇ましき
                     ( そそとして てっぽうゆりとは いさましき )

百合(ゆり)の花が方々で見られるようになってきた。そのほとんどが植木鉢やプランターに植えてあるものだが、最近は、花の色、形、サイズなどバラエティーに富み、見るものを楽しませてくれる。

イメージ 1そんな中、やはりよく見られるのがラッパ状の白い百合だが、その正式な名前は、「鉄砲百合(てっぽうゆり)」という。非常に清楚な感じがする花の姿と鉄砲、その対比が非常に面白くて詠んだのが上句である。「鉄砲百合」は、「百合」の一種で夏の季語。

ところで、花の形を見るとラッパのように見えるこの花が、なぜ「鉄砲百合」という名になったのか。花が開いているところが、銃口から弾丸が発射された時の様子に似ているからだろう、なんて思ったこともあったが調べてみると全く違っていた。

実のところ、「鉄砲百合」という名は、「ラッパ銃」という鉄砲に、花の形が似ていることから付けられたそうだ。念のためネットで画像を検索してみると、この銃の銃口はラッパ状になっており、花の形に確かによく似ている。この銃は、17世紀から19世紀中頃まで実際に使われ、その後カービン銃(騎兵銃)に取って代わられたとのこと。

因みに昨年は、そんなこととは全く関係なしに、この白い百合を以下のように詠んだ。

         関連句: 見返ればすらりと白き百合の花   (2012/7/3作)

百合は、「立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花」といわれるように、美人を形容する花の一つである。その百合を、菱川師宣の「見返り美人」にかけて詠んだものである。
 
    【参考句】
      門さきにうつむきあふや百合の花      (正岡子規)
            百合の花超然として低からず         (高屋窓秋)
      百合咲きて花の重さの生れけり       (稲畑汀子)
      寝不足にやや遠ざけし百合の壺       (能村研三)
      開くかな百合は涙を拭いてから       (折笠美秋)
 
イメージ 2


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