■ 見上げれば紅透けてあり合歓の花
( みあげれば べにすけてあり ねむのはな )
家から少し離れた散策路に、高さ10mほどもある大きな合歓(ねむ)の木が3本植えてあり、先日久しぶりに行ったら、化粧用の刷毛(はけ)に似た、薄いピンク色の花を咲かせていた。見上げると、かなり上方にも咲いていて、緑の葉をバックに淡く透けて見えた。
因みにこれまで、花の柔らかい印象に着目して、以下の句を詠んだ。
【関連句】
合歓の木の花柔らかに心地よく
くすぐれば夢にほほ笑む合歓の花
合歓の木(ねむのき)は、マメ科ネムノキ属の落葉高木。原産地は日本、南アジア。その花を合歓の花という。花期は6~8月。一つの花に見えるものは、小さな花が10~20個集まったもので、薄紅色の糸のような部分は長く伸びたおしべである。
名前は、夜になると葉を閉じて眠ったようになることに由来する。別名でネム、ネブともいう。
尚、漢字名の「合歓木」には、「男女が共寝して相歓び合う」という意味が込められており、夫婦円満の象徴として付けられたものだそうだ。「眠る」に関連するが、少し趣が異なる。
【参考句】
象潟や雨に西施がねぶの花 (松尾芭蕉) *象潟(きさかた)
雨の日やまだきにくれてねむの花 (与謝蕪村) *まだき:早い時期
荘厳の甍に暮れよ合歓の花 (芥川龍之介) *甍(いらか)
羅の中になやめりねぶのはな (各務支考) *羅(うすもの)
花合歓の夢みるによき高さかな (大串章)
象潟や雨に西施がねぶの花 (松尾芭蕉) *象潟(きさかた)
雨の日やまだきにくれてねむの花 (与謝蕪村) *まだき:早い時期
荘厳の甍に暮れよ合歓の花 (芥川龍之介) *甍(いらか)
羅の中になやめりねぶのはな (各務支考) *羅(うすもの)
花合歓の夢みるによき高さかな (大串章)