■ じりじりと日照り耳鳴り蝉の声
( じりじりと ひでりみみなり せみのこえ )
近畿地方の梅雨明け宣言が7月8日に出された。平年よりも13日ほど早いらしい。梅雨入りが平年より10日ほど早い5月28日だったので、つじつまはあっているようだ。ただ、この間ほとんど雨が降らず、梅雨という感じがしなかった。
ところでいつも思うことは、梅雨が明けると周りの雰囲気が一変するということである。まず空の色。どんよりと曇った灰色の空が、透き通る青に変わる。そして気温が一気に30度を超えてくる。更に、湯が沸き立つように、蝉の声がかしましく聞こえてくる。
その蝉の声は、先週辺りから聞こえ始めた。最初は耳鳴りかと思ったが、まさしく蝉の声だ。それが耳の中で共鳴するのか、家に入り耳をふさいでも音がやまない。
上句は、そんな梅雨明け後の変化をとらえた句である。上五の「じりじりと」は、日照り、耳鳴り、蝉の声にかけたオノマトペ(擬声語)である。季語は「蝉」で夏。
因みに昨年は、梅雨明けと蝉時雨で以下の句を詠んだ。
関連句: 梅雨明けになるや俄かに蝉時雨 (2012/7/19作) *俄か(にわか)
【参考句】
閑さや岩にしみ入る蝉の声 (松尾芭蕉)
蝉鳴や行く人絶ゆる橋ばしら (与謝蕪村)
かげろひし雲又去て蝉の声 (高井几董)
蝉なくやつくづく赤い風車 (小林一茶)
汗を吹く茶屋の松風蝉時雨 (正岡子規)
閑さや岩にしみ入る蝉の声 (松尾芭蕉)
蝉鳴や行く人絶ゆる橋ばしら (与謝蕪村)
かげろひし雲又去て蝉の声 (高井几董)
蝉なくやつくづく赤い風車 (小林一茶)
汗を吹く茶屋の松風蝉時雨 (正岡子規)