■ 川べりに気高く紫君子蘭
( かわべりに けだかく むらさきくんしらん )
上句は、そんな花の印象を詠んだ句である。ただ、「紫君子蘭」は季語になっていないので、夏の季語を入れるかどうか迷ったが、「紫君子蘭」そのものに夏のイメージがあり、あえて無季の句として残すことにした。尚、「紫」のない「君子蘭」は、春の季語になっているが、これは全く別の種類の植物である。
紫君子蘭は、ユリ科アガパンサス属(ヒガンバナ科に分類するものもある)の多年草。原産地は南アフリカで、日本には、明治の中頃に渡来したそうだ。園芸品種も多く、花の色としては、濃紫色や淡青色、白色などがある。花期は6月~7月。
英名はアガパンサスAgapanthusというが、「agapa」は愛らしい、「anthos」は花で、「愛らしい花」の意。アフリカンリリーともいう。