■ 涼風に花も可憐に小紫
( すずかぜに はなもかれんに こむらさき )
小紫(こむらさき)は、秋に小さいビーズ玉のような実を鈴なりにつける。実の表面はつるつるとしていて、日が当たると宝石のように光って美しい。小紫は、どちらかというと花よりも実の方がよく知られていて、秋の季語にもなっている。
因みに小紫の実については、これまで以下の句を詠んだ。
【関連句】
小珠寄せ気品を醸す小紫
キラキラとビーズのごとくコムラサキ
小紫は、クマツヅラ科ムラサキシキブ属の落葉低木。花は、6月~8月頃咲く。実は9月~11月頃になる。同科同属の植物で紫式部(むらさきしきぶ)があるが、小紫という名前は、この木を小さくしたものという意味でつけられたとのこと。
通常、家庭の庭に植えられている「紫式部」と呼ばれるものは、実際には、「小紫」であることが多いそうだ。 別名で「小式部(こしきぶ)」ともいう。
尚、季語になっていないせいもあり、参考になりそうな「小紫の花」の句は見つからなかった。