夕涼の紫御殿はおぼこにて
■ 夕涼の紫御殿はおぼこにて ( ゆうすずの むらさきごてんは おぼこにて )最近、茎と葉が濃い紫色で、その先にピンクの可愛らしい花をつけている植物を時々見かける。名前は紫御殿(むらさきごてん)。花は、紫露草(むらさきつゆくさ)に似た三弁花。...
View Article■雨の山鉾巡行 二句
■ 雨の山鉾巡行 二句 ○ 雨降れど止むを得ざるや山鉾巡行 ( あめふれど やむをえざるや やまぼこじゅんこう ) ○ 雨音に祇園囃子の沁みて落つ ( あまおとに ぎおんばやしの しみておつ...
View Article合歓を「ねむ」と読みける花の艶
■ 合歓を「ねむ」と読みける花の艶 ( ごうかんを 「ねむ」とよみける はなのつや )合歓(ねむ)の花は、6月頃にも咲いていて盛りが終わったと思っていたら、今頃になってまた咲きだし、満開になっている。ネットで調べてみると、合歓の花は同じ木でも2度咲くようだ。...
View Article参道はどしゃぶりのごと蝉時雨
■ 参道はどしゃぶりのごと蝉時雨 ( さんどうは どしゃぶりのごと せみしぐれ )近畿地方も昨日梅雨明けになったようだ。空の色は、灰色から透き通る青に変わり、気温も一気に30度を超えてきた。更に、近辺では、それを待っていたかのように蝉の声が大きくなってきた。...
View Article戻り梅雨サフラン擬きがんもどき
■ 戻り梅雨サフラン擬きがんもどき ( もどりつゆ さふらんもどき がんもどき )折角20日に近畿も梅雨明け宣言したというのに、昨日辺りから、またまた雨が降り出した。こういうのを戻り梅雨というのだろう。...
View Article薮枯らし蝶や蜂には人気者
■ 薮枯らし蝶や蜂には人気者 ( やぶからし ちょうやはちには にんきもの )最近、灌木が生い茂っている所などで、時々、花を網の目のように咲かせている蔓性植物を見る。名前は「薮枯らし(やぶがらし)」という、ちょっと悪役っぽい名前である。...
View Article風を切り雄鶏のごと夏カンナ
■ 風を切り雄鶏のごと夏カンナ ( かぜをきり おんどりのごと なつかんな )カンナが咲きだしたのは、確か6月初め頃と思う。だから、夏の季語と思われがちだが、10月頃まで咲いているせいか、秋の季語になっている。掲句は、そんなカンナを雄鶏(おんどり)に喩えて詠んだのもの。夏カンナは季語ではないが、夏の季語に準じて使用した。...
View Article比叡背に日光浴の川涼し
■ 比叡背に日光浴の川涼し ( ひえいせに にっこうよくの かわすずし )先の土曜日の昼過ぎに、たまたま近くまで来たので、鴨川の土手を歩いた。このところ連日暑い日が続いているが、この日もうだるような暑さ。ただ、川風が少し吹いており、それが幾分心地良かった。...
View Articleポンポンで誰応援するや花ダリア
■ ポンポンで誰応援するや花ダリア ( ぽんぽんで だれおうえんするや はなだりあ )ダリアは、校庭や公園などの花壇に似つかわしい花で、小さい頃からよく知っている花の一つである。花期が長く、7月初めから10月頃まで咲く。季語としては夏に分類されるが、句はあまり詠めていない。...
View Article■東京スカイツリー 二句
■ 東京スカイツリー 二句 ○ 炎天に展望開けりスカイツリー ( えんてんに てんぼうひらけり すかいつりー ) ○ 夏霧に浮かぶビル見ゆスカイツリー ( なつぎりに うかぶびるみゆ すかいつりー...
View Article強き日を浴びてまた咲く夾竹桃
■ 強き日を浴びてまた咲く夾竹桃 ( つよきひを あびてまたさく きょうちくとう )夾竹桃は、6月頃咲き満開になった後、一旦花を全て散らせた。その後暫く間を開け、今再び強い日差しを浴びて咲きだした。この花は二度咲く花で、この後、秋の10月頃まで咲き続ける。本日の掲句は、そんな夾竹桃を見て詠んだ句である。...
View Article水遁の術見事なり水馬
■ 水遁の術見事なり水馬 ( すいとんの じゅつみごとなり あめんぼう )日曜日に行った植物園は、先週とさほど変わりなく、夏の代表的な花である向日葵(ひまわり)、蓮(はす)などは完全に終わっていた。その代り、秋の花とされる木槿(むくげ)、芙蓉(ふよう)などがかなり咲いていた。...
View Article大庭に咲けば華やぐタイタンビカス
■ 大庭に咲けば華やぐタイタンビカス ( おおにわに さけばはなやぐ たいたんびかす )今日取り上げる「タイタンビカス」という花は、植物園で数年前に初めて見た。恐らくご覧になっていない方も多いのではないだろうか。そこで今回は、掲句の解説をする前に、花の紹介を先にしたい。(写真参照)...
View Article宙に浮く揺り椅子のごと雁金草
■ 宙に浮く揺り椅子のごと雁金草 ( ちゅうにうく ゆりいすのごと かりがねそう )植物園などで植物をいろいろ見ていると、時々面白い形状の花に出会いことがある。今日取り上げた「雁金草(かりがねそう)」もその一つで、最初に見た時は、宇宙を遊泳する空飛ぶ椅子に見えた。...
View Article■ 花火大会 三句(連作)
■ 花火大会 三句(連作) ○ 蝙蝠も驚く人出花火前 ( こうもりも おどろくひとで はなびまえ ) ○ 誰そ彼の闇深まりて花火咲く ( たそがれの やみふかまりて はなびさく ) ○ 火花散り音耳破る花火かな ( ひばなちり おとみみやぶる はなびかな...
View Article■大阪城 三句
■ 大阪城 三句 ○ 豪奢なる暑き城かな大阪城 ( ごうしゃなる あつきしろかな おおさかじょう ) ○ 城下にはビル立ち並ぶ炎天下 ( じょうかには びるたちならぶ えんてんか ) ○ 短夜の夢のまた夢大阪城 ( みじかよの ゆめのまたゆめ おおさかじょう...
View Articleあちこちではしゃぎまわるや猿滑り
■ あちこちではしゃぎまわるや猿滑り ( あちこちで はしゃぎまわるや さるすべり )8月8日に立秋を迎えたが、日中はまだ真夏そのものである。それでも、夕方になると気持ちの良い風も吹いて過ごしやすくなった。...
View Articleうだる街覗き込むごと入道雲
■ うだる街覗き込むごと入道雲 ( うだるまち のぞきこむごと にゅうどうぐも )7月下旬に梅雨明けした後、空の色や雲の形もがらりと変わったが、今目立つのは、垂直に高く盛り上がった入道雲(にゅうどうぐも)。先日は、それが小高い山の上の方に見え、まるで京都の街を覗き込んでいるようだっだ。...
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