■ 強き日を浴びてまた咲く夾竹桃
( つよきひを あびてまたさく きょうちくとう )
夾竹桃は、6月頃咲き満開になった後、一旦花を全て散らせた。その後暫く間を開け、今再び強い日差しを浴びて咲きだした。
この花は二度咲く花で、この後、秋の10月頃まで咲き続ける。本日の掲句は、そんな夾竹桃を見て詠んだ句である。
また、この花は、被爆後75年間は草木も生えないと言われていた広島で、いち早く花を咲かせたことから、原爆からの復興のシンボルとなり、広島市の花にも指定されている。
暑さにも負けない非常に強い花で夏の季語にもなっている。
因みに、夾竹桃に関しては、過去に以下の句を詠んでいる。
【関連句】
① 紅白に寿き咲くや夾竹桃 *寿き(ことぶき)
② 川べりに白夾竹桃の涼しかり
③ 秋晴れの天に花挿す夾竹桃
① 紅白に寿き咲くや夾竹桃 *寿き(ことぶき)
② 川べりに白夾竹桃の涼しかり
③ 秋晴れの天に花挿す夾竹桃
①は、ある川縁で、紅の八重の夾竹桃と白の一重の夾竹桃が重なるように咲いているところを見て詠んだ句。
②は、川べりの大きな白夾竹桃が白い花を咲かせ、川のせせらぎと花の白さが調和して大変涼しげに見えたことを詠んだ。
③は、夾竹桃は秋になっても盛んに咲いており、秋晴れの青空に赤い花が殊更映えているのを見て詠んだ。
花期は長く、6月~10月まで開花する。花は、五弁の一重咲きのもの、八重咲きのものがあり、色も紅、ピンク、白、黄色などがある。名前は、葉が竹に、花が桃に似ていることに由来する。「夾」は「はさむ」の意。
【夾竹桃の参考句】
夾竹桃かかる真昼もひと生まる (篠田悌二郎)
町空に海の雲をり夾竹桃 (清崎敏郎)
火を焚くや夾竹桃の花の裏 (波多野爽波)
二階より見えて夜明けの夾竹桃 (菖蒲あや)
かたはらに屋根波打つて夾竹桃 (八木林之介)