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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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戻り梅雨サフラン擬きがんもどき 

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■ 戻り梅雨サフラン擬きがんもどき 
             ( もどりつゆ さふらんもどき がんもどき )

イメージ 1折角20日に近畿も梅雨明け宣言したというのに、昨日辺りから、またまた雨が降り出した。こういうのを戻り梅雨というのだろう。

本日の掲句は、その「戻り梅雨」と「サフラン擬き(もどき)」との配合で詠んだ句である。下五の「がんもどき」は言葉の調子で付け足した。少々意味不明の戯れ句になったが、サフラン擬き(写真)を紹介するために敢えて掲載することにした。サフラン擬きは季語でないので、本句では「戻り梅雨」が季語(夏)。

この花に関して面白いのは、名前に「擬き」が付けられていることである。日本に持ち込まれた当初は、「サフラン」と呼ばれていたが、別に本物のサフランがあることが分かり、「サフラン擬き」と改名されたそうだ。

この「擬き」という言葉は、他のあるものに似ているが違うものという意味で、最近では「パクリ」とかと同じような使い方もされている。そんなこともあり、過去には花に同情して以下の句を詠んでいる。

     擬きでは洒落にならないサフラン擬き

更に残念なことは、花がサフランにあまり似ていないということ。サフランはアヤメ科のクロッカスの仲間で花は半開きなのに対し、この花はヒガンバナ科で大きく開いている。

イメージ 2以上、サフラン擬きの「擬き」に関してあれこれ述べたが、他にも「擬き」がついた植物があるのか調べたところ、あるサイトに70種ぐらいあると書いてあった。例を挙げれば以下の通り。

  ・梅擬き ・蔓梅擬き ・石楠花擬き ・瑠璃茉莉擬き ・枇杷擬き ・藤擬き ・橘擬き など

尚、「がんもどき」は漢字で「雁擬き」と書くが、もともとは精進料理で、雁の肉に味を似せたということから、この名がつけられたと言われている。

イメージ 3因みに、サフラン擬きに関し、過去に以下の句を詠んでいる。

     堰の音聞いて涼しきサフラン擬き

川の岸辺に咲いていたサフラン擬きを見て詠んだ句。堰の音がして何とも涼しげだった。

イメージ 4サフラン擬きは、ヒガンバナ科タマスダレ属の多年草で、熱帯アメリカ地方原産。日本には、1800年代中頃に観賞用として渡来した。細長く白い茎の先に一輪だけ、ピンク色の百合に似た花を咲かせる。花期は6月~9月と長い。

別名に「レインリリー」があるが、乾燥の後に雨が降って球根が潤うと花茎をのばし、開花する性質があるため命名されたとのこと。「ゼフィランサス」ともいう。白い花を咲かす「玉簾(たますだれ)とは同属。

「サフラン擬き」は季語になっていないせいもあり、詠まれた句はほとんどないので、参考句は割愛する。

イメージ 5


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