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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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薮枯らし蝶や蜂には人気者

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■ 薮枯らし蝶や蜂には人気者 
     ( やぶからし ちょうやはちには にんきもの )

イメージ 1最近、灌木が生い茂っている所などで、時々、花を網の目のように咲かせている蔓性植物を見る。名前は「薮枯らし(やぶがらし)」という、ちょっと悪役っぽい名前である。

この植物を知ったのは数年前だが、気をつけて見るといろいろな所で見かける。そして、そこには大抵、蝶や蜂が群がっている。好まれるのは必ずしも見た目ではないのだ。そんなことを思いながら詠んだのが本日の掲句である。「薮枯らし」は、「貧乏蔓(びんぼうかずら)」ともいい夏の季語。

因みに、薮枯らしに関しては、過去に以下の句を詠んでいる。

【関連句】
① 薮枯らし面
(つら)はいかにも薮枯らし
② 薮枯らし足長蜂が護衛とは
③ 本年も溌剌と咲く貧乏蔓

イメージ 2①は、「薮枯らし」を初めて見て、名前を知った時に詠んだ句。まさに名前にあった面(つら)構え?の花だと思った。但し、個々の花は米粒ほどで可愛い。

②は、我が狭庭に蔓延った「薮枯らし」を取り除こうとしたら、足長蜂(あしながばち)が沢山群がっていて取り除くことができなかったことを詠んだ。足長蜂の護衛にはかなわない。

③は、「薮枯らし」の異名「貧乏蔓」を使って、本年も貧乏な家に咲くという「貧乏蔓」だけは元気溌剌だと詠んだ。

イメージ 3薮枯らしは、ブドウ科ヤブガラシ属の蔓植物。(薮は藪とも書く。)花期は6月~8月。茎の先端に、独楽(こま)をひっくり返したような形の5ミリ程度の小さい花が密生して咲く。花弁と雄蕊を落とすと橙色のローソクのようになり、これがとても可愛いという人もいる。

 薮枯らしという名前は、蔓を伸ばして近くにある植物に覆いかぶさって成長し、枯らしてしまうほどの生育力を持つことからつけられた。
一方、貧乏蔓の方は、「庭の手入れどころではない貧乏な人の住処に生い茂る」、あるいは「この植物に絡まれた家屋が貧相に見える」などの意味を込めて、そう呼ばれるようになったとのこと。

イメージ 4薮枯らしを詠んだ句はそれほど多くないが、ネットで見つけたいくつかの句を参考まで以下に掲載した。

      【薮(藪)枯らしの参考句】
       大藪に容れられたりし藪枯らし    (相生垣瓜人)
       町内に必ず枯れる藪枯らし      (池田澄子)
       縋るそぶりで絡まりて薮からし    (檜紀代)
       荒廃の片棒担ぐ藪からし       (高澤良一)
       藪枯らし売地の札の古りにけり   (栗山妙子)

イメージ 5


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