■ 大庭に咲けば華やぐタイタンビカス
( おおにわに さけばはなやぐ たいたんびかす )
タイタンビカスは、アオイ科フヨウ属の宿根草で、アメリカフヨウ(アメリカ芙蓉)とモミジアオイ(紅葉葵)の交配、選抜により誕生した。日本の赤塚植物園が開発したとのこと。
花期は、6月中下旬ごろより9月末。花色は、ブライトレッド、ピーチホワイト、ピンクなど。花の大きさは、アメリカ芙蓉よりも小さいが、普通の芙蓉の数倍の大きさがある。一日花で毎日かわるがわる咲き続ける。
名前は、大きな花をつけることから、ギリシャ神話に出てくる巨神「タイタン」にちなみ、ハイビスカスに花姿が似ていることからつけられたとのこと。
本日の掲句は、そんなタイタンビカスの生い立ちや名前の由来を知り詠んだ句である。この花は大柄で派手な花だけに、大きな庭でこそ華やいだ感じになるというのが句意。タイタンビカスは季語でないが、夏の季語に準じて使用。
尚、上五に使った「大庭(おおにわ)」は、単に大きな庭という意味で使ったのだが、たまたま辞書で確認すると、「1 宮中の紫宸殿の前面の庭。おおば。2 寝殿造りで、寝殿の前の広い庭。」の意味があるとのこと。
立葵(たちあおい)、仏桑花(ぶっそうげ)=ハイビスカス、アメリカ芙蓉(ふよう)、
紅葉葵(もみじあおい)、浜朴(はまぼう)、木槿(「むくげ)、芙蓉(ふよう) など。
進撃の巨人の花かタイタンビカス
「進撃の巨人」と聞いて、現在、野球セリーグ首位の「巨人軍」のことかと思われた人もいると思うが、これは、人気漫画のタイトルからとったもの。その実写版映画が先ごろ封切られたので、それに掛けて詠んでみた。
しかし、この映画を実際に見て全くイメージが違うと思い、掲句に取り上げることを止めた。映画に出てくる巨人は、無表情で残酷で全く花とは縁がない。また、始めから終わりまで画面には花らしきものが出てこなかった。
タイタンビカスを詠んだ句は全くないので、参考句は割愛する。