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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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うだる街覗き込むごと入道雲

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■ うだる街覗き込むごと入道雲 
             ( うだるまち のぞきこむごと にゅうどうぐも )

イメージ 17月下旬に梅雨明けした後、空の色や雲の形もがらりと変わったが、今目立つのは、垂直に高く盛り上がった入道雲(にゅうどうぐも)。先日は、それが小高い山の上の方に見え、まるで京都の街を覗き込んでいるようだっだ。

本日の掲句は、そんな情景を詠んだ句だが、おりしも日中の暑さは35度を超え、うだるような暑さだった。「入道雲」は夏の季語。

「入道雲」は、「積乱雲(せきらんうん)」の俗称だが、この名の「入道」とは、もともと仏教の道に入ることを言い、そこから、お坊さんのことを「入道」と呼び、更には、坊主頭の人を「入道」と呼ぶようになったとのこと。

しかし、話はここで終わらず、後に坊主頭の大きな妖怪のことを「大入道」と呼ぶようになった。そして、この妖怪とのかねあいで、晴れた空に突然現れる大きな雲を「入道雲」と呼ぶようになったそうだ。


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尚、この「入道雲」=「積乱雲」は、峰のように高く立つ雲という意味で「雲の峰」「峰雲」ともいう。また、発生の位置によって、京都では「丹波太郎」「山城次郎」「比叡三郎」と呼ぶそうだ。また、関東では「坂東太郎」、九州では「筑紫二郎」、四国では「四国三郎」というように、各地方に独自の呼び方があるとのこと。

イメージ 3因みに、「雲の峰」「峰雲」では、過去に以下の句を詠んでいる。

    【関連句】
     ① 峰雲を突き抜き光る大日輪
     ② あなたには幸い住むや雲の峰
     ③ どっかりと琵琶湖見下ろす雲の峰

①は、峰雲を突き抜けて射す太陽の姿に、神々しさを感じて詠んだ句。②は、カール・ブッセ作上田敏訳の「山のあなた」という詩からの連想で詠んだ。③は、比叡山に登り、眼下に琵琶湖とどっかりと浮かんだ雲の峰を見て詠んだ。

イメージ 4参考句の方は、特に「入道雲」で詠んだ句をいくつか選定し掲載した。

          【入道雲の参考句】
             河童子にのしかかりたる入道雲      (石原舟月)
             入道雲あまたを友に職場の汗      (西東三鬼)
             モノレール入道雲の足下ゆく          (高澤良一)
             まつたうな入道雲として白し          (酒井一鍬)
             ふるさとの入道雲に母ひとり           (金田志津枝)

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