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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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風を切り雄鶏のごと夏カンナ

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■ 風を切り雄鶏のごと夏カンナ
             ( かぜをきり おんどりのごと なつかんな )

イメージ 1カンナが咲きだしたのは、確か6月初め頃と思う。だから、夏の季語と思われがちだが、10月頃まで咲いているせいか、秋の季語になっている。掲句は、そんなカンナを雄鶏(おんどり)に喩えて詠んだのもの。夏カンナは季語ではないが、夏の季語に準じて使用した。

ところで、多くの花は大概人間の女性をイメージさせる。艶やかな色彩のカンナについても同様だが、花弁が大きく乱れた感じは、凛々しい雄鶏の鶏冠(とさか)をイメージさせ、何となく男っぽい。

最近は、男っぽい女性、強い女性が主役となるドラマも人気があるようだが、多少ともその傾向にそった感じで詠んでみた。もっとも、女性っぽい男性、気の優しい男性も、最近人気があるようだが。

因みに、カンナに関しては過去に以下の句を詠んでいる。


    【関連句】
     ① 花びらの何が何だか花カンナ
     ② 秋なればじゃじゃ馬カンナもしおらしき

イメージ 2①は、花弁が不定形でいつも乱れている様子を詠んだ句。実は花弁に見えるものは、雄蕊がへら状に変化したものだそうだ。本物の花弁は外側にある黄色の舟形のものだが、ほとんど目立たない。

②は、乱れた花の感じからカンナを西部劇などによく登場する「じゃじゃ馬娘」に喩え、そんな気性が激しい娘も秋になると幾分しおらしく見えると詠んだ。

イメージ 3カンナは、カンナ科カンナ属の多年草。熱帯アメリカが原産で、日本には江戸時代前期に渡来。多様な種類、園芸品種がある。花期は6月~10月と長く、一茎に数輪の花を咲かせる。花色は、緋色、ピンク、オレンジ、黄色、白など多種。

名前は、ギリシア語で「アシ(葦)」を意味し、その草姿がアシに似ているところに由来する。和名は檀特(だんとく)という。

イメージ 4カンナに関して詠まれた句は結構ある。以前何句か紹介したことがあるが、以下ではそれ以外のものを掲載した。

      【カンナの参考句】
       カンナ燃えさかれど避暑期はや峠     (久保田万太郎)
       夕凪の濃さに息づくカンナかな       (久米正雄)
       空梅雨のカンナや迷ふこともなし     (加藤楸邨)
       峡の町にカンナを見たり旅つづく     (川崎展宏)
       しとしととカンナに雨の降る日なり     (岸本尚毅)

イメージ 5

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