揺るるもの多き川辺や赤まんま
■ 揺るるもの多き川辺や赤まんま ( ゆるるもの おおき かわべや あかまんま )これまでも、秋の川辺の植物をいくつか取り上げてきたが、忘れてならないのは今日取り上げる「犬蓼(いぬたで)」。...
View Article裏門に入れば虫の音深き闇
■ 裏門に入れば虫の音深き闇 ( うらもんに いればむしのね ふかきやみ )いつの間にやら蝉の声は途絶え、思い出したように法師蝉の声が聞こえる今日この頃。その一方で夜には虫の音が一段としげく聞こえるようになってきた。 このように、季節の移ろいによって自然の音が変わることには、何とも言えぬ情趣があり、ありがたいこととつくづく思う。...
View Article天界の花は此岸に秋彼岸
■ 天界の花は此岸に秋彼岸 ( てんかいの はなは しがんに あきひがん )一昨日の23日は秋分の日。この日は二十四節気の「秋分」に当たる日で、昼と夜の長さが等しくなると言われている。(厳密には昼が若干長い。)...
View Articleせせらぎに薄紅浮かべ秋明菊
■ せせらぎに薄紅浮かべ秋明菊 ( せせらぎに うすべにうかべ しゅうめいぎく )先週の土曜日は、例により2週間ぶりに植物園に行ってきた。今回は、コスモスや萩を目当てに行ったのだが、まだ少し早かったようだ。 それ以外で特に目を引いたのが、今日取り上げる「秋明菊(しゅうめいぎく)」。...
View Article菊芋の黄花浮き立つ河原かな
■ 菊芋の黄花浮き立つ河原かな ( きくいもの きばなうきたつ かわらかな )いつも行く植物園の隣には賀茂川(鴨川の上流)が流れているが、先日行った時は、菊芋(きくいも)の黄色い花が、川岸の一面を覆うおうに咲いていた。...
View Articleおお何とオオオニバスに花ぞ咲く
■ おお何とオオオニバスに花ぞ咲く ( おおなんと おおおにばすに はなぞさく )本ブログでは、主として植物に関する俳句と写真、それに関連する事柄を綴った記事を掲載している。 それ故、写真が撮れても、俳句ができず掲載していない植物も多々ある。...
View Articleこの沢は春の気分の桜蓼
■ この沢は春の気分の桜蓼 ( このさわは はるのきぶんの さくらたで )今月も残すところ、今日と明日。つくづく時の移ろいの早さを感じる今日この頃である。 さて、先日行った植物園の生態園では、蓼(たで)の仲間で桜に似た花をつける「桜蓼(さくらたで)」を見た。...
View Article古寺の築地波打つ萩の花
■ 古寺の築地波打つ萩の花 ( ふるでらの ついじ なみうつ はぎのはな )萩は、秋の七草の一つで、その中でも後半に咲く花の一つである。そのことを捉えて、昨年は以下の句を詠んだ。 七草の殿として萩盛る *殿(しんがり) その萩が今、近辺でもかなり咲きだし、秋らしい風情を醸し出している。この花が咲きだすと、いよいよ本格的な秋が来たと感じる。...
View Article小池には向きを違えて釣船草
■ 小池には向きを違えて釣船草 ( こいけには むきをたがえて つりふねそう )先日行った植物園では、植物の植え替え時期でもあり、あまり目新しい花は見られなかった。 ただ、自然に近い状態で植物が植栽されている「植物生態園」には、山野に自生するいくつかの草花が盛りを迎えていた。...
View Article数多なる実にしなだるる小紫
■ 数多なる実にしなだるる小紫 ( あまたなる みにしなだるる こむらさき )散歩道の何か所かに「小紫(こむらさき)が植えてあって、今鮮やかな紫色の実をたわわらにつけて撓垂れ(しなだれ)ている。*撓垂れる:重みのためにしなって垂れ下がる。文語:撓垂る(しなだる)。...
View Articleこの花に凭れて飛ばん雁金草
■ この花に凭れて飛ばん雁金草 ( このはなに もたれてとばん かりがねそう )花の形と言えば、大概の人は桜のような整ったものを思い浮かべるのではないだろうか。しかし、中には何でこんな形になったのだろうと不思議に思う花も結構見かける。 今日、取り上げる「雁金草(かりがねそう)」もその一つで、何とも形容しがたい形をしている。...
View Article秋なのに夏の名残かサンパラソル
■ 秋なのに夏の名残かサンパラソル ( あきなのに なつのなごりか さんぱらそる )先日、あるアパートの塀の前で、艶やかな花がガーデンフェンスに巻きついて咲いているのを見た。洋風の庭園をイメージさせる光景で、そこだけがひと際華やいでいた。...
View Articleコスモスの揺らぎ止まざる地球かな
■ コスモスの揺らぎ止まざる地球かな ( こすもすの ゆらぎやまざる ちきゅうかな )先週の土曜日、例により2週間ぶりに京都の植物園に行ってきた。今回の主な目的はコスモスを見ることだったが、まだ三分分咲きだった。...
View Article一枝に鳴かず居並ぶ杜鵑草
■ 一枝に鳴かず居並ぶ杜鵑草 ( ひとえだに なかずいならぶ ほととぎす )今日取り上げる「杜鵑草(ほととぎす)の花を初めて見たのは、今から5~6年ほど前のことだった。その第一印象は、何と変わった形の花なんだろうというもの。...
View Article青鷺の佇むあたり破れ蓮
■ 青鷺の佇むあたり破れ蓮 ( あおさぎの たたずむあたり やれはちす )京都市街地で見られる鳥の中で最も大きい鳥と言えば、やはり「青鷺(あおさぎ)」をおいて他にはない。 この鳥は、近辺でも年中みられる留鳥(とめちょう)で、鴨川などの川辺だけでなく、寺社などの池辺でもよく見かける。...
View Article草むらは秋のまつりか神輿草
■ 草むらは秋のまつりか神輿草 ( くさむらは あきのまつりか みこしぐさ )少し年配の方なら「ゲンノショウコ」という名前を一度は聞かれたことがあるのではないだろうか。 かくいう自分も、幼い頃に腹痛を起こし、祖母に「ゲンノショウコ」を煎じたものを飲まされた苦い記憶が幽かに残っている。...
View Article大き溝埋めて溝蕎麦淡く燃ゆ
■ 大き溝埋めて溝蕎麦淡く燃ゆ ( おおきみぞ うめてみぞそば あわくもゆ )最近、川辺などを散歩すると、時々見かけるのが「溝蕎麦(みぞそば)」の群生である。 この野草は、タデ科イヌタデ属の草花で、犬蓼(いぬたで)=赤まんまや桜蓼(さくらたで)と同属。...
View Article生垣に香り浮きたつ金木犀
■ 生垣に香り浮きたつ金木犀 ( いけがきに かおりうきたつ きんもくせい )この時期、近辺で最も目につく花木と言えば、やはり「金木犀(きんもくせい)」を挙げざるを得ないだろう。 とにかく、こんなにもあったのかと思うほど、街路樹や公園樹として、あるいは庭木や生垣として植えてある。...
View Article傾けど花を絶やさぬ泡立草
■ 傾けど花を絶やさぬ泡立草 ( かたむけど はなをたやさぬ あわだちそう )昨日は、街中の金木犀を取り上げたが、鴨川などの川辺に行くと今もっとも目につくのが「背高泡立草(せいたかあわだちそう)」である。 先日来、川辺の地味な花を取り上げてきたが、この草花は、黄金色の花を穂状につけ、広範囲にわたって繁茂すると真に華やかである。...
View Article山牛蒡葡萄の如き房を垂れ
■ 山牛蒡葡萄の如き房を垂れ ( やまごぼう ぶどうのごとき ふさをたれ)我が家の小庭は雑草に開放していると、以前記述したことがあるが、今は「洋種山牛蒡(ようしゅやまごぼう)」が根付き繁茂している。 この草、昨年は茎の太さが5cm、高さ2.5mにもなった。あまりにも大きくなったので、やむをえず伐ってしまったが、根は残っていたせいか、今年も7月初め頃から伸び出した。...
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