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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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傾けど花を絶やさぬ泡立草

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■ 傾けど花を絶やさぬ泡立草  
                                  ( かたむけど はなをたやさぬ あわだちそう )

イメージ 1昨日は、街中の金木犀を取り上げたが、鴨川などの川辺に行くと今もっとも目につくのが「背高泡立草(せいたかあわだちそう)」である。

先日来、川辺の地味な花を取り上げてきたが、この草花は、黄金色の花を穂状につけ、広範囲にわたって繁茂すると真に華やかである。

ただ、先日見た時は、背の高いものがあまり見られず、繁茂する密度も薄くなっており、やや勢いが衰えてきているという印象だった。

また、比較的背の高いものも、風にあおられたせいか、傾いているものも結構見られた。ただ、そういう状況下でも懸命に花を咲かせているのが印象的だった。

本日の掲句は、そんな状況を見て詠んだ句である。「背高泡立草」は秋の季語だが、名前が長いので「泡立草」と短縮することが多い。

因みに、「(背高)泡立草」に関しては、過去に以下の句を詠んでいる。

   【関連句】
    ① 草叢に未だ背は低き泡立草
    ② 背高でいかす黄色の泡立草
    ③ 背高を芒と競う泡立草 

イメージ 2①は、10月の初め、ある公園の草叢に、まだそれほど背が高くない泡立草が花を咲かせているのを見て詠んだ句。「背高泡立草」の「背高」にかけて詠んだ。

②は、秋の野にあって、背が高くていかした感じの、黄色い花を咲かす草花として詠んだ。「いかす」とは、1960年代に「かっこいい」という意味で、石原裕次郎が使った流行語。
③は、背高泡立草が芒と鎬(しのぎ)を削るように繁茂している様子を詠んだ句。一頃は川辺を席巻する勢いだったが、最近はやや勢いが衰えている感じである。

イメージ 3背高泡立草は、キク科アキノキリンソウ属の多年草。北アメリカ原産で明治時代末期に切り花用の観賞植物として導入された。高さは通常1m~2.5mぐらいになるが、良く肥えた土地では3.5m~4.5mにもなるとのこと。

イメージ 4花期は10月~11月。その繁殖力の強さは半端でなく、密集した花からできる大量の種子を四方八方に飛ばして新天地を開拓し、地下茎を伸ばして勢力を広げる。更に、地下50cmぐらいまで根を張り、毒素を分泌して他の植物を枯らし、駆逐してしまう。

イメージ 5名前は、背丈が高く、花が酒を酒造する時に出る泡に似ていることからつけられたとのこと。別名に「秋の麒麟草(あきのきりんそう)」がある。


イメージ 6背高泡立草を詠んだ句はままあり、本ブログでも何句か紹介したことがあるが、以下には、それ以外のものをいくつか掲載した。

    【(背高)泡立草の参考句】
     衆恃むごとく泡立草咲きぬ     (岸風三樓)
     真白な外車を囲み泡立草     (頓宮れい)
     安達太良の天へ丈なす泡立草  (三枝青雲)
     泡立草 ぼんやり灯る 武家屋敷  (伊丹公子)
     万葉の丘に鉾立つ泡立草     (塩川雄三)

イメージ 7


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