■ 秋なのに夏の名残かサンパラソル
( あきなのに なつのなごりか さんぱらそる )
先日、あるアパートの塀の前で、艶やかな花がガーデンフェンスに巻きついて咲いているのを見た。
洋風の庭園をイメージさせる光景で、そこだけがひと際華やいでいた。
花の名前は何というのか。家に戻ってネットで調べたところ、「サンパラソル」ということが分かった。いかにも夏をイメージさせる名前である。
本日の掲句は、そんな花が今も盛んに咲いているのを見て詠んだ句。「サンパラソル」を「夏の名残」にかけて詠んでみた。
尚、「サンパラソル」は季語になっていないので、上五に敢えて「秋」をいれた。
▼▼
余談だが、「名残」の意味を念のためネットで確認した時に、その語源に関して以下の説明があった。参考まで掲載しておきたい。
●「なごり」を「名残」と書くのは当て字で、名前が残るという意味ではない。
●「なごり」とは、波が打ち寄せた後に残る海水や海藻を「なみのこり(波残り)」と言い、それが短縮し転訛したもの。そのことから、漢字では当初「余波」が当てられていた。
●それが、奈良時代以前には、ある事柄が過ぎた後に残る余韻や影響を表すようになった。更には、平安時代以降、「名残惜しい」というように、人との別れを惜しむ意味でも使われるようになった。
サンパラソルは、キョウチクトウ科マンデビラ属の蔓性植物。日本の「サントリーフラワーズ」が開発した、マンデビラの園芸品種。マンデビラの原産地は、中央アメリカ、アルゼンチン。
花期は5月~10月と長い。早咲き、つる咲き、大輪咲きの3タイプがあり、花径は、早咲き種、つる咲き種7~8cm、大輪種10~11cm。暑さには強いが寒さに弱い。夏場はグリーンカーテンにもなる。
「サンパラソル」は季語にもなっていないので、これを詠んだ句はほどんどない。よって、参考句は割愛する。