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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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コスモスの揺らぎ止まざる地球かな

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■ コスモスの揺らぎ止まざる地球かな  
                                               ( こすもすの ゆらぎやまざる ちきゅうかな )

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先週の土曜日、例により2週間ぶりに京都の植物園に行ってきた。今回の主な目的はコスモスを見ることだったが、まだ三分分咲きだった。

そこで、もう少し山手の方のスポットに行ってみた。ここは日当たりが良いせいか、ほぼ満開になっていて時々吹く川風に揺れていた。

本日の掲句は、そんな様子を見ながら詠んだ句だが、最初に詠んだのは以下の句である。「コスモス」は秋の季語。

コスモスの花揺れ止まぬ川辺かな

この句も、写生句としては悪くないが、その句を元に少し捻って作ったのが掲句である。

周知のとおり、コスモス(cosmos)という言葉は、ギリシア語の"kosmos"から来ており、「秩序」「調和」を意味する。それが更に、「秩序整然とした統一体としての宇宙、または世界」を意味するようになったとのこと。

植物の「コスモス」の名は、語源は同じで、「秩序整然とした美しい花」ということでつけられたそうだ。

掲句は、そん
な花を世界秩序に重ねて詠んでもので、何となく不安定な状況を「揺らぎ」と表現した。更に、下五に「地球」をおいて、単なる写生句とは違う意味合いを持たせた試作である。


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余談だが、掲句では、この「揺らぎ」を「揺らぐこと」「動揺すること」の意味で使ったが、物理学では、以下の意味を持つとのこと。

  「ゆらぎ」とは、広がりまたは強度を持つ量(エネルギー・密度・電圧など)の空間的
  または時間的な平均値からの変動を指す。

何のことかさっぱり分からないが参考まで。


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話は戻って、「秋桜」に関しては、過去に以下の句を詠んでいる。

   【関連句】
    ①  コスモスの平らに和む夢を見し
    ② 川べりに揺れてコスモス五六輪
    ③ コスモスの花百恵ともまさしとも


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①は、コスモスの元の意味である「宇宙」「世界」と、花の姿から感じとれる「平和」を結び付けて詠んだ句である。
②は、川べりに植えてある数本のコスモスが、白とピンクの花を咲かせているのを見て詠んだ句。コスモス園とは違い、静かに数輪の花を咲かせているのも風情があって良い。
③は、コスモスを見ると思い出す歌「秋桜(コスモス)」にかけて詠んだ句。作詩作曲:さだまさし、唄:山口百恵、1977年リリース。


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コスモス(秋桜)は、キク科コスモス属の一年草。メキシコ原産で日本には明治時代に渡来。花期は8月~10月。花色は、白、ピンク、赤色など様々。花弁の形が桜に似ているところから「あきざくら」と呼ばれ「秋桜」の字が当てられた。


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コスモスを詠んだ句は非常に多いが、その内のいくつかを選んで以下に掲載した。(過去に掲載したものを除く。)

    【コスモスの参考句】
     コスモスに風ある日かな咲き殖ゆる    (杉田久女)
     晴天やコスモスの影撒きちらし      (鈴木花蓑)
     コスモスに冷たき雨の日なりけり     (行方克己)
     燈台のコスモス海になだれおつ     (石原八束)
     流転はじまる車窓のコスモスとは別に (高野ムツオ)


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