■ 生垣に香り浮きたつ金木犀
( いけがきに かおりうきたつ きんもくせい )
この時期、近辺で最も目につく花木と言えば、やはり「金木犀(きんもくせい)」を挙げざるを得ないだろう。
とにかく、こんなにもあったのかと思うほど、街路樹や公園樹として、あるいは庭木や生垣として植えてある。
特に、生垣について言えば、普段は全く気にしてなかったのだが、橙色の花をつけ、芳ばしい香りを放っているのに出会い、初めて、ここにも金木犀が植えてあったのかと気づく。
本日の掲句は、そんな情景を見て詠んだ句である。きちんと剪定が施されていて、真に見事な金木犀の生垣だった。「金木犀」は秋の季語。
因みに、「金木犀」に関しては、過去に10数句詠んでいるが、比較的好むものを以下に再掲したい。
【関連句】
① 金木犀花も香りもゴールデン
② 金木犀再び咲いて倍返し
③ 久々に晴れて金曜金木犀
② 金木犀再び咲いて倍返し
③ 久々に晴れて金曜金木犀
①は、金木犀の「金」を「ゴールデン」にかけた句。
②は、10月初めに咲いて散った金木犀が10月末に再び咲いたのを見て詠んだ句。この年は、TVドラマ「半沢直樹」の影響で「倍返し」という言葉が流行った。
③は、「金曜」と「金木犀」の語呂合わせで詠んだ句。
金木犀は、モクセイ科モクセイ属の常緑小高木。原産地は中国で、日本には江戸時代初期に渡来した。花は金色(橙黄色)で一つ一つは小さく地味な感じだが、沢山咲くと華やいだ感じになる。
花期は、9月末から10月末だが、最近同じ木で2度咲く事象がよく見られるそうだ。その原因については、まだ解明されていないとのこと。
金木犀の「木犀」とは、「樹皮が動物の犀(さい)の皮に似ている木」という意味。金色(橙黄色)の花をつけることから、この名がついたと言われている。
また、原種の方は白い花をつけ、「銀木犀」という。別名に木犀花(もくせいか)、桂花(けいか)などがある。
「金木犀」に関しては、本ブログでも参考句をいくつか掲載したことがあるが、以下にはそれ以外のものを選んで掲載した。
【金木犀の参考句】
気配りのゆきわたるやう金木犀 (高澤良一)
雅楽寮出づれば匂ふ金木犀 (岡本ひろ子)
路迷ひ金木犀の辻に出る (今出美智子)
地球はまわる金木犀が二度咲いた (紙谷香須子)
金木犀零るる風の通り道 (渡辺靖子)
雅楽寮出づれば匂ふ金木犀 (岡本ひろ子)
路迷ひ金木犀の辻に出る (今出美智子)
地球はまわる金木犀が二度咲いた (紙谷香須子)
金木犀零るる風の通り道 (渡辺靖子)
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