■ この沢は春の気分の桜蓼
（ このさわは はるのきぶんの さくらたで ）
さて、先日行った植物園の生態園では、蓼（たで）の仲間で桜に似た花をつける「桜蓼（さくらたで）」を見た。
本日の掲句は、その時に詠んだ句で、「桜蓼」の「桜」を「春の気分」になぞらえて詠んだもの。「桜蓼」は、「蓼の花」と同様、秋の季語。
ところで、蓼の花と言えば、真っ先に思い浮かぶのが、先日取り上げた「犬蓼（いぬたで｝」。通称「赤まんま」「あかのまま」。
しかし、蓼の仲間は非常に多く、タデ科に属する植物は、北半球だけでも約４０属１０００種類が分布しており、日本には約６０種類が自生していると言われている。
本ブログでも、その内のいくつかを取り上げ掲載してきたが、それらをまとめたのが以下に掲載した記事。興味のある方は、クリックしてご覧いただきたい。
（何度も紹介しているので、過去にご覧になった方はパスしてください。）
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話は戻って、「桜蓼」に関しては、過去に以下の句を詠んでいる。
【関連句】
① たでたでと言えど麗し桜蓼
② 水澄みて蓼も桜に咲きにけり
①は、たで、たでと軽く呼ばれるが、中には見目麗しい桜蓼という蓼もあると詠んだもの。本種はタデ科の花の中では最も美しいと言われている。
②は、小林一茶の「我が国は草も桜を咲きにけり」という句をまねて詠んだもの。
桜蓼（さくらたで）は、タデ科イヌタデ属の多年草。水湿地に自生する。花期は、８月から１０月頃。花びらに見えるの萼片で花弁はない。花が白い「白花桜蓼」と桜色に咲く「紅花桜蓼」がある。
雌雄異株で、雌花の雌しべは雄しべより長く、雄花は反対に雄しべのほうが長い。
「桜蓼」を詠んだ句は多くはないが、ネットで見つけたいくつかの句を参考まで以下に掲載する。
【桜蓼の参考句】
魚跳ねしなり末枯の桜蓼 （佐藤鬼房）
さくら蓼秋は淋しいとも言へず （後藤比奈夫）
桜蓼の名のゆかしくて立ちどまり （鈴鹿野風呂）
池の辺やひらけばいとしさくら蓼 （ 吉弘恭子）
隠し田のかぼそき流れ桜蓼 （高村俊子）