鉄砲より喇叭よろしき百合の咲く
■ 鉄砲より喇叭よろしき百合の咲く ( てっぽうより らっぱよろしき ゆりのさく )近辺でも、植木鉢やプランターに植えてある百合(ゆり)の花が見られるようになってきた。 特にこの時期は、ラッパ状の白い花を咲かせる「鉄砲百合(てっぽうゆり)」をよく見かける。...
View Article絡まりて天をうかがう凌霄花
■ 絡まりて天をうかがう凌霄花 ( からまりて てんをうかがう のうぜんかずら )先週の土曜日に行った植物園で目を引いた植物に、凌霄花(のうぜんかずら)がある。 前回行った時は、まだほとんど咲いていなかったと思うが、この日は「四季彩の丘」に設置された棚や樹木を覆うように花を咲かせていた。...
View Article時計草動く気配はなかりけり
■ 時計草動く気配はなかりけり ( とけいそう うごくけはいは なかりけり )「時計草」という草花があることを知ったのは6年ほど前だった。ネットの植物図鑑に、この植物の写真が掲載されていて、世の中には面白い花もあるものだと思った。...
View Article夏草の土手を潤す姫檜扇水仙
■ 夏草の土手を潤す姫檜扇水仙 ( なつくさの どてをうるおす ひめひおうぎすいせん )姫檜扇水仙(ひめひおうぎずいせん)については、これまで何度も本ブログで取り上げてきたので、今年は取り上げるのを止めようと思っていた。 しかし、最近になって、疏水べりなどを歩くと至る所で目にするので、やはり取り上げることにした。...
View Article牡丹でも菊でもなくてダリア咲く
■ 牡丹でも菊でもなくてダリア咲く ( ぼたんでも きくでもなくて だりあさく )俳句をやりだしてから、沢山の植物を見るようになった。しっかりと数えた訳ではないが、俳句では500種近い植物について詠んだ。 一方、俳句にできないものもそれと同じくらいある。それは、あまり馴染みのないものや名前が長すぎるものなどである。...
View Article花擬宝珠上半分はまだ莟
■ 花擬宝珠上半分はまだ莟 ( はなぎぼし うえはんぶんは まだつぼみ )今日取り上げる「擬宝珠(ぎぼうし)」は、ずっと以前から見知っていたが、なかなか句ができなかった。...
View Articleいつからか小庭の花に藪茗荷
■ いつからか小庭の花に藪茗荷 ( いつからか こにわのはなに やぶみょうが )我が家の小庭は、もっぱら野草に開放していると以前記したことがあるが、その小庭に数年前より居つき、今現在花を咲かせている野草がある。 名前は藪茗荷(やぶみょうが)。茗荷と言えば、独特な香、味のする野菜を思い浮かべる人もいると思うが、その仲間ではない。...
View Article夏柳ちょっとバテぎみ疲れぎみ
■ 夏柳ちょっとバテぎみ疲れぎみ ( なつやなぎ ちょっとばてぎみ つかれぎみ )九州北部では記録的な大雨で甚大な被害が発生した。被害にあわれた方々には、心よりお見舞い申し上げたい。 ところで、今は梅雨時なのだが、近辺では一時的に雷を伴った豪雨が降るものの直ぐに止むことが多い。...
View Article忘れたきこと忘れられずに藪萱草
■ 忘れたきこと忘れられずに藪萱草 ( わすれたきこと わすれられずに やぶかんぞう )我が散歩道で見かける紫陽花もやや色あせてきた。そんなおり、鮮やかな橙色の薮萱草(やぶかんぞう)の花をよく見かける。 この花の別名は忘れ草(わすれぐさ)と言うが、それを知ってから、その名が忘れられなくなった。...
View Article大ひまわり強き陽射しに頭垂れ
■ 大ひまわり強き陽射しに頭垂れ ( おおひまわり つよきひざしに こうべたれ )先週の土曜日、例により2週間ぶりに植物園に行ってきた。 前回行った時は紫陽花が少し盛りを過ぎ、蓮が咲き始めていたが、今回行った時は、蓮の花も5分咲きで、散って花托(かたく)だけになっているものも混じっていた。...
View Article街中をほいっとほいっとと夏神輿
■ 街中をほいっとほいっとと夏神輿 ( まちなかを ほいっとほいっとと なつみこし )昨日は、ここ京都で祇園祭前祭の「山鉾巡行」が行われた。今年は、残念ながら見物に行けなかったが、その代わり、夕方から行われた神幸祭(しんこうさい)を見物した。...
View Article雨かとも思うて見れば水馬
■ 雨かとも思うて見れば水馬 ( あめかとも おもうてみれば あめんぼう )連日蒸し暑い日が続くが、時々思い出したように俄雨(にわかあめ)が降る。 先週の土曜日、植物園に行った時は、3時が過ぎた頃に当たりが暗くなってきて、池面を見るといくつもの水輪ができていた。...
View Article鬼百合が人里恋しと咲きにけり
■ 鬼百合が人里恋しと咲きにけり ( おにゆりが ひとざとこいしと さきにけり )最近、近くの疏水べりを散歩していると橙色の草花をよく見かける。 一つが先週の金曜日に取り上げた藪萱草(やぶかんぞう)=忘れ草。そして、もう一つが今日取り上げる鬼百合(おにゆり)である。 鬼百合は、その名の通り百合の仲間だが、花色が橙色というより赤色に近く、花弁に黒い斑点がある。...
View Article梅雨明けて日に日に激し蝉時雨
■ 梅雨明けて日に日に激し蝉時雨 ( つゆあけて ひにひにはげし せみしぐれ )近畿地方でも、19日に梅雨明け宣言が出された。振り返れば、今年の梅雨は、しとしとと雨が降り続くというのでなく、夕方あたりに突然大雨が降るという感じだった。 何となく梅雨に入り、何となく終わったというのが正直な感想である。...
View Article剽軽に笑うがごとく猿滑り
■ 剽軽に笑うがごとく猿滑り ( ひょうきんに わらうがごとく さるすべり )昨日(7月23日)は、二十四節気の大暑(たいしょ)。この時期が年中で最も暑いと言われている。 そんなおり、1週間ほど前から近辺でも目立ち始めた花に百日紅(さるすべり)がある。...
View Article山鉾やビルの谷風心地よき
■ 山鉾やビルの谷風心地よき ( やまぼこや びるのたにかぜ ここちよき )京都に住んでいない人には、意外と知られていないことだが、日本三大祭の一つである祇園祭(ぎおんまつり)は、7月1日から1か月間にわたって行われる長い祭である。 この祭は、京都市東山区の八坂神社(祇園社)の祭礼で、祭行事は八坂神社が主催するものと、山鉾町が主催するものに大別される。...
View Article寄り添える屁糞葛と臭木かな
■ 寄り添える屁糞葛と臭木かな ( よりそえる へくそかずらと くさぎかな )先日、疏水べりを歩いていたら、大きな臭木(くさぎ)に屁糞葛(へくそかずら)が絡まりながら花を咲かせているのを見た。 どちらも異臭が漂ってきそうな名前の植物だが、その取り合わせが面白くて詠んだのが本日の掲句である。...
View Articleそのかんばせ艶やかなれば牡丹草木
■ そのかんばせ艶やかなれば牡丹草木 ( そのかんばせ あでやかなれば ぼたんくさぎ )昨日は、「臭木(くさぎ)」の花を取り上げたが、今日は臭木の中でも、非常に艶やかな花を咲かす「牡丹臭木(ぼたんくさぎ)」を取り上げたい。 右写真と昨日の写真を見比べて頂ければ一目瞭然だが、その花の姿には雲泥の差がある。...
View Article隣家より忍び込みたる貧乏蔓
■ 隣家より忍び込みたる貧乏蔓 ( りんかより しのびこみたる びんぼうかずら )今日取り上げる「貧乏蔓(びんぼうかずら)」というのは、一般的には「薮枯らし(やぶからし)」と言われている。*貧乏蔓は「びんぼうづる」とも読む。...
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