木漏れ日の沼地に独り座禅草
■ 木漏れ日の沼地に独り座禅草 ( こもれびの ぬまちにひとり ざぜんそう )先日、京都の植物園で座禅草が開花しているのを見た。この植物は、写真の通り、暗褐色の仏炎苞(ぶつえんほう)の中に納まったもの(花)が、光背(こうはい)の前で座禅をしている僧のように見えることからこの名がついたと言われている。*仏炎苞(ぶつえんほう):植物の苞の内、花を包む大型のもの。*光背(こうはい):...
View Article咲く椿落ちし椿も真赤なり
■ 咲く椿落ちし椿も真赤なり ( さくつばき おちしつばきも まっかなり )3月初めの頃は、まだ蕾が多かった椿の花も、今最盛期を迎え、落椿(おちつばき)が目立ってきた。本日の掲句は、ある赤椿のそんな様子を詠んだ句である。咲いている椿も、樹下に落ちている椿も同じように真っ赤だった。「椿」「落椿」は春の季語。 ところで椿と言えば、真っ先に思い出す句に以下の句がある。...
View Article五分咲きの花引き潮の厳島
■ 五分咲きの花引き潮の厳島 ( ごぶざきの はな ひきしおの いつくしま )一昨日より一泊二日のバスツアーに行ってきた。行先は広島と山口。今日から4日間は、その旅行で詠んだ句と写真等を掲載したい。...
View Article松陰の至誠満開花と塾
■ 松陰の至誠満開花と塾 ( しょういんの しせい まんかい はなとじゅく )旅行の一日目は、厳島神社の他にいくつかの名所をまわり、萩温泉郷のホテルに泊まった。夜は桜や椿の見られる露天風呂に入って疲れを癒した。 二日目も朝から晴天で、まずは萩市内の萩焼窯元と土産店に寄り、現在NHK大河ドラマ「花燃ゆ」の舞台になっている「松下村塾」に立ち寄った。...
View Article■秋吉台にて 二句
■ 秋吉台にて 二句 ○ カルストの億年前の海底に立つ *海底:そこ ( かるすとの おくねんまえの そこにたつ ) ○ 万年の闇の雫や秋芳洞 ( まんねんの やみのしずくや あきよしどう...
View Article■桜と雨 二句
■ 桜と雨 二句 ○ 雨だれの重たき枝垂桜かな ( あまだれの おもたき しだれ ざくらかな ) ○ 異国より来て恨めしき花の雨 ( いこくより きてうらめしき はなのあめ...
View Article風光るカフェにヒマラヤ雪の下
■ 風光るカフェにヒマラヤ雪の下 ( かぜひかる かふぇに ひまらや ゆきのした )先週は旅行に行った時に詠んだ句を中心に投稿していたが、実はそれ以前に詠んだ句で掲載してないものもいくつかある。本日の掲句もその一つだが、「ヒマラヤ雪の下」が右写真の植物の名前であることを知らないと意味が分からないかもしれない。...
View Article山吹の山吹色に目がくらみ
■ 山吹の山吹色に目がくらみ ( やまぶきの やまぶきいろに めがくらみ )桜の花が散り始めたが、それに代わるように目立ってきたのが黄色の山吹(やまぶき)の花である。山吹は桜にも似た五弁の花で、陽に照らされると煌びやかに光り輝いて見える。...
View Article幼子の歌口ずさみチューリップ
■ 幼子の歌口ずさみチューリップ ( おさなごの うたぐちずさみ ちゅーりっぷ )先日、数週間ぶりに京都の植物園に行ってきたが、花壇の主役はすっかりチューリップに変わっていた。チューリップは、植木鉢やプランターで数本咲いているのを見るのも良いが、多くの花を整然と咲かせている情景はやはり華やかで見ごたえがある。...
View Article桜散る地は花韮の盛りかな
■ 桜散る地は花韮の盛りかな ( さくらちる ちは はなにらの さかりかな )連日の雨で近辺の桜はほとんど散ってしまった。樹下は今散った花びらですっかり覆われているが、その中に今が盛りと群生している花韮(はなにら)を所々で見る。この花は六弁の星型だが、色が白く桜と見紛う感じである。...
View Article菫ほどに小さく生きてきたりけり
■ 菫ほどに小さく生きてきたりけり ( すみれほどに ちいさくいきて きたりけり )菫(すみれ)と言えば、三色菫(パンジー)のイメージが強く、野に咲く菫に関しては、俳句をやるまであまり興味がなかった。しかし、最近はどちらかというと、野辺や道端に、慎ましく咲いている菫に愛着を持つようになった。 菫を詠んだ有名な句としては、よく以下の二句が挙げられる。...
View Article喧噪も絶えて社の利休梅
■ 喧噪も絶えて社の利休梅 ( けんそうも たえて やしろの りきゅうばい )桜の花もすっかり散ってしまい、花の屑さえも今はほとんど見られなくなってしまった。観光客で溢れていた通りも、今は疎らになり些か寂しい感じである。そんなおり、近くの神社へ行くと、利休梅(りきゅうばい)が、今が盛りと咲き誇っていた。...
View Article■桜、桜草、芝桜 三句
■ 桜、桜草、芝桜 三句 ○ 日の本は桜終えても桜草 ( ひのもとは さくらおえても さくらそう ) ○ 咲きどころ地べたに変えて芝桜 ( さきどころ じべたにかえて しばざくら ) ○ 桜散りまだ桜草芝桜 ( さくらちり まださくらそう しばざくら )...
View Article春宵に花見小路の「をどり」観る
■ 春宵に花見小路の「をどり」観る ( しゅんしょうに はなみこうじの 「をどり」みる )先日、京都の花見小路にある祗園甲部歌舞練場で「都をどり」を見てきた。京都には六花街あり、その内五花街では毎年恒例の京舞公演がある。「都をどり」もその一つで、4月1日から4月30日まで行われる。...
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