春日和真一文字に白き雲
■ 春日和真一文字に白き雲 ( はるびより まいちもんじに しろきくも )今週の火曜日から宇治で得た句を紹介してきたが、今日の掲句もその一つである。ただ、宇治という地域性とは特別関連はない。宇治を訪れた当日は、朝から雲一つない青空が広がっていたが、昼近くなってから雲が少し出てきた。ふと前方を見ると、青い空に「一」と筆で書いたような白い雲が見えた。周囲には雲は見られない。...
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■ 写真撮る人それぞれに梅見かな ( しゃしんとる ひとそれぞれに うめみかな )先週の土曜日、2週間ぶりに京都の植物園に行ってきた。もうそろそろ梅も満開を迎えていると思って行ったのだが、梅林に咲いていたのは半分ぐらい。それでも満開になっている木が何本かあり、そこには多くのカメラマンが群がっていた。本日の掲句は、その時に詠んだ句で、当初は以下のように詠んだ。...
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■ 俯きのスノードロップ冴え返る ( うつむきの すのーどろっぷ さえかえる )今日あたりから寒さがまたぶり返すとのこと。「暑さ寒さも彼岸まで」というように、春分の日あたりまでは、すんなりと暖かくならないようだ。本日の掲句は、そんな時候を先日植物園で見たスノードロップにかけて詠んだ句である。...
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■ 水温み池の杭にも苔ぞむす ( みずぬるみ いけのくいにも こけぞむす )3月も早や半ば。周囲は確実に春らしくなってきている。特に今の時期は、草木が萌えだし、周囲が灰色、茶色系統から明るい緑色、黄色系統に移行していくのが目に見えて清々しい。...
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■ 山鳩やちと生ぬるく春時雨 ( やまばとや ちとなまぬるく はるしぐれ )18日に彼岸入りし、気温もだんだんと暖かくなってきたが、今朝は昨夜からの雨がしとしとと降っていた。降ったり止んだりの雨なので、こんな雨を多分春時雨(はるしぐれ)と言うのだろう。...
View Article山茱萸の天は黄金に霞みけり
■ 山茱萸の天は黄金に霞みけり ( さんしゅゆの てんはこがねに かすみけり )山茱萸(さんしゅゆの花を初めて見たのは数年前のことである。ある家の庭に植えてあって、焦げ茶色の枝に小さな黄色の花をいくつもつけていた。それから次に見たのはある寺の境内だった。何本もの木が植えてあって、丁度今頃、庭全体を黄色に染めていた。...
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■ 風信子どんな女やらヒヤシンス ( かぜのぶこ どんなひとやら ひやしんす )風信子というのは誰?女優の乙羽信子、宮本信子なら知っているけど、風信子は知らないなという人も結構おられるのではないだろうか。実は、風信子とは小学校の理科で水栽培したヒヤシンスの当て字である。...
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■ アカシアの雨に悲しき響きあり ( あかしあの あめにかなしき ひびきあり )最近街中を回ると時々、黄色の小さな丸い花を木全体にスポンジのように咲かせている樹木を見かける。この花の木の名前を何と言うか。どうも人によって呼び方が違うようである。ある人は「ミモザ」と言い、ある人は「アカシア」という。更にある人は「ミモザアカシア」という。...
View Article花街の柳の花の慎ましき
■ 花街の柳の花の慎ましき ( はなまちの やなぎのはなの つつましき )最近、近辺の柳を見ると、細く長い葉も生えてきて木全体が浅い緑色になってきている。近くへ行ってみると、枝にはいくつもの小さな花穂がついていて、それが綻んできている。 柳の花は、葉と同じ色なので全く目立たないが、ちゃんとあるんだということを知り、昨年は以下の句を詠んだ。 柳にもちゃんと緑の花が咲く...
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