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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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春フェスに人も草木も踊りけり 

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■ 春フェスに人も草木も踊りけり
                   ( はるふぇすに ひともくさきも おどりけり )

イメージ 1先週の土曜日2週間ぶりに京都府立植物園に行ってきた。今は、種々の花が次々と咲きだしてきているが、何と言っても目立つのはやはり桜。様々な種類の桜が植えてあるが、どれもほぼ満開だった。

尚、当日は大芝生地で「京都さくらよさこい」というイベントが開催されていて、溌剌とした「よさこい踊り」が披露されていた。本日の掲句は、その踊りと桜の樹下に群生していた「姫踊子草(ひめおどりこそう)」などの草花をかけて詠んだ句である。

掲句の上五で「春フェス」を使ったが、これは春のフェステバルを略したもので春の季語に代用した。「春祭(まつり)」という歴とした季語があるが、俳句などで使われる「祭」はどうしても神社などの神事のイメージが強くなる。

一方、フェステバルだが、こちらも英語などで宗教的な祭礼のことを指すが、日本語的に使う場合は、宗教色を抜いた楽しいイベントという感じで使われることが多い。そうしたことも考慮し掲句では敢えて「春フェス」とした。

ちなみに、「京都よさこい」は2005年に誕生したイベントで今や関西最大のよさこい祭りになっているとのこと。参加チームは150チーム以上で4000名参加。会場は植物園の他市役所前などいくつかに分かれて実施され、観客動員数は20~30万人だとか。

イメージ 2もともと「よさこい祭り」は、戦後不況の中、経済再興・地域振興を目的に、昭和29年高知市で始まった。鳴子と呼ばれる鳴り物を手にし、工夫を凝らした様々な衣装で着飾った踊り子達が舞台や路上などで踊りを披露する。

踊りは、当初、日本舞踊の振り付けを踏襲した盆踊りスタイルだったが、現在ではサンバ、ロック、ヒップホップ、演歌、フラメンコ、フラダンスなど各々のチームが趣向を凝らした楽曲と振り付けで実施される。

日本の伝統文化とは少々異質な感じもするが、日本文化そのものが諸外国のいろいろな文化を取り入れ、うまく融合させながら発展してきたことを考えれば、これも一つの日本文化の発展形と捉えるべきかも知れない。

イメージ 3姫踊子草は、シソ科オドリコソウ属の越年草でヨーロッパ地方原産。明治時代に渡来し帰化した。花期は、3月から6月。白花のものもある。色は地味だが、群生しているのを遠くから見ると、たくさんの踊子が乱舞しているようにも見える。

春フェスは季語になっていないので、「春祭」で詠んだ句を以下に掲載した。ただ、いずれも神社などの春の祭を詠んだものと思われる。

      【春祭の参考句】
        雨となりやがて夜となる春祭      (前田普羅)
        綿菓子のかたちをさなき春祭      (長谷川双魚)
        春祭宿の障子をあけて見る      (大野林火)
        山中の小松みどりに春祭       (森澄雄)
        春祭まだ飛び立たぬ竹とんぼ     (大串章)

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