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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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恙無く柊南天花盛る

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■ 恙無く柊南天花盛る
    ( つつがなく ひいらぎなんてん はなさかる )

イメージ 13月に入っても、まだ気候は安定しないが、近辺では次々と春の花が咲き始めた。家の周りや公園に植えられている柊南天(いいらぎなんてん)もその一つで、葉が重なる天辺に何本もの花茎を伸ばし、黄色の小さな花を少しずつ開花させている。

柊南天という植物の名前は、南天の仲間であるこの植物の葉が、柊(ひいらぎ)のようにギザギザで、その先に堅い棘があることからつけられた。

柊は、古くからその鋭い棘によって邪気を払う木とされている。また、南天は、その読みが「なんてん=難を転ずる」に通じることから縁起が良いと木とされている。従って、この二つの植物の名前を併せ持つ柊南天は、極めてありがたい木だということになる。

本日の掲句は、そんな柊南天が花を咲かせたと詠んだ句だが、上五の「恙なく」は、柊南天のありがたい名前に掛けたものである。「柊南天の花」は春の季語。尚、「南天の花」は夏、「南天の実」は秋もしくは冬、「柊の花」は冬の季語。
*恙無し(つつがなし):無事である、問題がないこと。「恙(つつが)」は病気や災難を意味する。


イメージ 2ちなみに柊南天に関しては、過去に以下の句を詠んでいる。

      【関連句】
       ① 棘の葉で難を転ぜよ柊南天
       ② 春なのにまだ秋模様柊南天
       ③ 天辺に花咲かせたり柊南天   *天辺(てっぺん)

①は、花の姿と名前にかけて詠んだ句。②は、春を迎えたのに、紅葉したままの柊南天を見て詠んだ句。基本的には常緑だが、日当たりの加減などにより赤茶色に紅葉する。③は、柊南天が葉の天辺に花を咲かせている状況を詠んだ。

イメージ 3柊南天は、メギ科ヒイラギナンテン属の常緑低木。原産地は中国南部、台湾、ヒマラヤなどで、江戸時代に薬用植物、観賞植物として渡来した。花期は3月~4月頃。果実は、6月~7月頃結ぶが、南天と違い紫黒色である。
10月~12月にかけて葉が紅葉する景も一見の価値がある。

柊南天は名前が長いせいか、句にあまり詠まれていないので、参考句は割愛する。

イメージ 4

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