■ 山鳩やちと生ぬるく春時雨
( やまばとや ちとなまぬるく はるしぐれ )
そんな雨の中を傘を差しながら歩いていると、遠くから山鳩のデデッポッポーと言う鳴き声が聞こえてきた。本日の掲句は、その時の状況を元に詠んだ句である。雨の冷たさも幾分和らいだようだ。
季語は「春時雨(はるしぐれ)」で季は春。もともと「時雨」は、降ったり止んだり断続的に降る雨のことを言い、寂しさや侘しさを表す冬の季語になっている。それに春をつけることで暖かさや明るさが加わる。
ところで、春の雨に関する季語は、他にもいろいろあるようなので少し調べてみた。その主なものとして以下のものがあげられる。
【春雨(はるさめ)、春の雨(はるのあめ)】 春季に降るしっとりとした雨。
【春霖(しゅんりん)、春霖雨(しゅんりんう)】 仲春から晩春にかけて降る長雨のこと。
【菜種梅雨(なたねつゆ)】 3月中旬から4月の菜の花が咲く頃に降る長雨。
【花の雨(はなのあめ)】 桜の花に降りそそぐ雨。 また、桜の咲くころの雨。
【春驟雨(はるしゅうう)】 晩春の頃の烈しく降るにわか雨。
【菜種梅雨(なたねつゆ)】 3月中旬から4月の菜の花が咲く頃に降る長雨。
【花の雨(はなのあめ)】 桜の花に降りそそぐ雨。 また、桜の咲くころの雨。
【春驟雨(はるしゅうう)】 晩春の頃の烈しく降るにわか雨。
雄のさえずり声はかなり特徴的で、一般的には 「デデッポッポー」と表現される。主に早朝にさえずるが、その声は個体によって音程などに違いがあるとのこと。
山鳩と呼ばれている通り、かつては山岳地帯に生息し、めったに人前に姿を現さなかったが、都市部での銃猟が制限されるようになってから人間をあまり恐れなくなり、街路樹や建造物でも営巣するようになったそうだ。但し、よく公園で見られる「土鳩(どばと)」に比べれば、警戒心がかなり強いとのこと。
【春時雨の参考句】
間なくやみ間なくも忘れ春時雨 (皆吉爽雨)
晴れぎはのはらりきらりと春時雨 (川崎展宏)
昭和など忘れて久し春時雨 (高野ムツオ)
枯色の由布の盆地の春時雨 (冨永津耶)
SLのおまけの汽笛春時雨 (柚木治子)