Quantcast
Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1553

春なのになどか俯くクリスマスローズ

$
0
0
■ 春なのになどか俯くクリスマスローズ
                                      ( はるなのに などかうつむく くりすますろーず

イメージ 1
今日取り上げる「クリスマスローズ」は、その名前の通り、クリスマスの頃から咲きだし、今も方々の花壇などで見られる。

今も咲いているのに「クリスマス」がつくなんておかしいと思う人も多いと思うが、海外では、「クリスマスローズ」を早秋から冬に開花する「ヘレボルス・ニゲル」だけを指す。

そして、春に開花するものは「四旬節Lent」に咲くバラ」という意味の「レンテンローズ」という名で区別しているとのこと。
*四旬節:キイスト教で復活祭の前日から40日前までの期間を指す。

日本ではヘレボルス属の総称として使われ、名前の通りも良いせいか区別なく使われている。尚、薔薇のローズとは無関係。

本日の掲句は、そんな花を見て詠んだ句。この花の色は、どちらかと地味なものが多く、ほとんどが俯いて咲く。

クリスマスローズは冬の季語になので、上五に敢えて春の季語「春」をおいた。
*などか=なぜかの古語


イメージ 2

因みに、過去には以下の句を詠んでいる。

   【関連句】
    ① クリスマスローズ春の愁いは何ゆえに
    ② 俯きのレンテンローズ春うらら

①は、俯き加減に咲く花の姿を「春の愁い」に掛けて詠んだもの。
②は、「この麗らかな春の陽気の中で、いつまでもふさいでいてはいけないよ。」といった意味を込めて詠んだ。この句では「レンテンローズ」を使ってみた。

いずれも、俯き加減に咲く花の姿に着目して詠んだ句。着想は同じでも詠み方はいろいろあって、今のところどれがいいかは判定できていない。


イメージ 3




















クリスマスローズは、キンポウゲ科ヘレボルス属(クリスマスローズ属)に分類される常緑多年草で、原産地は東ヨーロッパ、西アジアなど。日本には明治の初め頃薬草として渡来。

花期は12月~4月。花に見える部分は植物学上では「花」でなく「がく」。現在品種改良が進み、色や形がきわめて豊富。

イメージ 4クリスマスローズは、現在では、方々で見られる草花になっており詠まれた句もままある。以下にはネットで見つけたものを参考までいくつか掲載した。

   【クリスマスローズの参考句】
    クリスマスローズ日本語使ひたく    (後藤比奈夫)
    クリスマスローズ咲かせる窪の家   (松崎鉄之介)
    クリスマスローズ我家の庭の花と咲く (阿部ひろし)
    珈琲はブラッククリスマスローズ    (星野麥丘人)
    クリスマスローズ俯きて春の風情なり (牧原佳代子)

イメージ 5

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1553

Trending Articles