■ 道の辺にきらきらと姫立金花
( みちのべに きらきらと ひめ りゅうきんか )
最近は、周辺でも少しずつ春の花が目に付くようになってきた。
今日取り上げた「姫立金花(ひめりゅうきんか)」もその一つで、いつもの散歩道の傍らに群生し、黄金色の光を放っている。
本日の掲句は、その様子を詠んだ句。花には光沢があり、日が当たるときらきらと光って見える。
尚、「姫立金花」は季語になっていないが、春に咲く花なので春の季語として詠んだ。
季語になっていない草花を敢えて詠むのは、季語になっていなくても花としては何ら変わりがないからである。
ところで、この花については数年前に知ったのだが、当初花の名前が何というのかなかなか突き止められなかった。
ネット図鑑などで調べ、それらしきものも見つけたが、花の大きさや葉形が微妙に違う。
そうこうする内に、「立金花(りゅうきんか)」という花を探し当てた。ところが、概要書を仔細に見ると花弁(実はがく)が5枚で、花期は5月~7月だとのこと。
どうも違うようだと諦めかけた時に、関連植物で「姫立金花(ひめりゅうきんか)」という植物があることを知った。
早速写真を照らし合わせて見ると、まさにこの草花そのものだった。以下の句は、その時の感激をそのまま詠んだ句である。
ようやくに君の名知りし姫立金花
今でこそ、周辺の草花の名前については、かなり分かるようになったが、当初は名前を調べるのに結構時間がかかった。
姫立金花は、キンポウゲ科キンポウゲ属の多年草。原産地はイギリスで ヨーロッパからロシアの湿地などに自生。冷涼な気候と湿潤な日陰を好む。
花期は2月~4月。黄色または白色の花を咲かせるが、現在は多くの改良品種があるとのこと。
名前は、花や葉が日本に自生する「立金花」に似ている小さい花だということでつけられた。「立金」は、金色のような黄色の花が立っている様子を表現。「姫」は、植物名で小さいという意味を表す。
厄介なのは、「立金花」がキンポウゲ科リュウキンカ属の花で、「姫立金花」とは同科別属だということ。だから「姫立金花」を略して「立金花」とは呼べない。
季語になっていないせいもあり、「姫立金花」を詠んだ句はほとんどないので参考句は割愛する。