■ 奥信州 二句
○ 山郷は間隙もなく紅葉燃ゆ
( やまざとは かんげきもなく もみじもゆ )
秋山郷は、信濃川の支流、中津川の上流域に点在する集落(越後8集落、信州5集落)の総称。平家の落人の里と言い伝えられている。
長野県と新潟県にまたがる狭谷地帯で、東を苗場山、西を鳥甲山に挟まれている。全長は約25km。
春はオオヤマザクラ、カタクリなどの景勝地として知られ、夏は新緑、秋は紅葉の名所として知られている。日本の秘境100選にも選べれているとのこと。
▼▼
車窓から眺める山々の紅葉は、今が盛りとばかり、少しの隙間もなく山を彩っている。また、バスから降りての眺めは壮観そのものだった。掲句は、そんな様子を詠んだもの。
▼▼
▼▼
○ 奥志賀の白樺さびし秋の果
( おくしがの しらかばさびし あきのはて )
実のところ、宿泊した松代温泉のホテルから秋山郷には、マイクロバスで「奥志賀林道」を通って行った。
奥志賀は志賀高原でも一番北に位置し、標高も高いためか、車窓からの眺めは、秋山郷とは全然違っていた。
まだ、雪は降ってなかったが、すっかり葉を落とした白樺の裸木が、白い樹肌を晒して林立し、荒涼たる景を作っていた。
ここは、もうすっかり秋が終わったような感じ。平地の感覚からすれば、もう冬に入っていると言っても過言ではない。
▼▼
掲句は、そんな様子を見て詠んだ句である。
「秋の果(あきのはて)」は、俳句をやらない人には聞きなれない言葉と思うが、秋が暮れゆくのを惜しむ心を込めた秋の季語。
================================
【その他のスナップ写真】
▼▼
▼▼
▼▼