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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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花も香もはみ出しており沈丁花

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■ 花も香もはみ出しており沈丁花 
         ( はなもかも はみだしており じんちょうげ )

イメージ 1香りの良い花として、夏の梔子(くちなし)、秋の金木犀(きんもくせい)を先ず思い出すが、春はやはり沈丁花(じんちょうげ)である。今、街中を歩くと方々で見られ、甘い香りが漂ってくる。

本日の掲句は、その様子を詠んだ句。中七の「はみ出しており」は、花が生垣や玄関先からぐっとはみ出している様子を見て表現したもの。「沈丁花」は「沈丁」ともいい、春の季語。

因みに、「沈丁花」に関しては、過去に以下の句を詠んでいる。

【関連句
① 紫の内に真白く沈丁花
② 甘かおるブーケのごとく沈丁花
       *甘かおる(あまかおる)
③ 表地も裏地も清し沈丁花 
       *清し(すがし)

①は、花の色に拘って詠んだもの。赤紫色のコートを翻して見せた白い妖艶な姿をイメージして詠んでみた。
②は、花の咲いた姿が小さいブーケ(花束)のようにも見え、それに香りを添えて詠んだ。
③は、花の表地と裏地が白と赤紫で際だって違い、非常におしゃれな感じの花であることを詠んだ句。

イメージ 2沈丁花は、ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属の常緑低木で「ちんちょうげ」とも言われる。原産地は中国南部からヒマラヤで、日本では室町時代頃にはすでに栽培されていたそうだ。尚、日本にある木は、なぜかほとんどが雄株。

イメージ 3花期は2月末~3月。つぼみは赤紫色であるが、開いた花は白ないしは淡紅色でおしべは黄色、強い芳香を放つ。枝の先に20ほどの小さな花が手毬状に固まってつく。

尚、沈丁花という名前は、香木の沈香(じんこう)のような香りがあり、葉が丁子(ちょうじ)に似ていることからつけられたと言われている。

イメージ 4「沈丁花」を詠んだ句は多く、これまで何句も紹介したが、今回はそれ以外のものをいくつか掲載した。

     【沈丁花の参考句】
      庭石に花こぼしをり沈丁花       (富安風生)
      日おもてに咲いてよごれぬ沈丁花   (高野素十)
      沈丁花どこかでゆるむ夜の時間   (能村登四郎)
      部屋部屋のうすくらがりや沈丁花   (桂信子)
      自転車の不意に重たく沈丁花    (行方克己)

*本日の記事は、日時指定投稿です。コメントの返信は遅れるかも知れません、ご容赦くささい。

イメージ 5

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