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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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春天に銀杏の若枝ほとばしる

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■ 春天に銀杏の若枝ほとばしる 
               ( しゅんてんに いちょうのわかえ ほとばしる )

イメージ 1銀杏(いちょう)と言えば、秋の黄葉やその実のギンナンを思い浮かべると思いが、今、冬に無残にも剪定された街路樹から若枝(わかえ、わかえだ)が勢いよく生えてきている。

本日の掲句は、その様子を「ほとばしる」と表現し
詠んでみた。漢字では「迸る」と書くが、「勢いよく飛び散る。また、激しく流れ出る。噴き出る。」といった意味。

「若枝」は季語でないので、本句では「春天(しゅんてん)」を春の季語においた。「春の空」「春空」と同義。





ところでこの句、日頃から剪定された銀杏の街路樹を見ている人なら、確かにそうだと頷いてくれると思うが、そうでない人は何の事だろうと訝しく思うかも知れない。


ただ、写真を見てもらえばなるほどと思ってもらえるとは思うが・・・。

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イメージ 2:::
俳句は、原則十七音で感銘を受けた情景などを表現しなければならない。だから、句に詠まれた対象物や情景を見たことがない人には、なかなか伝わらないことがある。それはそれでやむを得ないことと思う。

イメージ 3それでは、銀杏の若枝を見て心動かされても、句に詠むべきではないのかというと、決してそうではないだろう。初めは受け入れられなくても、写真などの助けも借りて知らせていくことによって、いつかは受け入れられるようになると思う。

考えて見れば、今ある沢山の季語も、そういう過程を経てできてきたものである。但し、剪定された銀杏の若枝に、自分以外に誰も感銘を受けなければそうはなるまいが。

イメージ 4参考句については、「銀杏の若枝」を詠んだ句が見つからなかったので、「春天」を詠んだ句をいくつか掲載した。

     【春天の参考句】
      春天や影を流して軽気球       (鈴木花蓑)
      春天に鳩をあげたる伽藍かな   (川端茅舎)
      浅間燃え春天緑なるばかり      (前田普羅)
      一寺より春天に消え木こり道     (宇佐美魚目)
      春天や呼吸きれいな松続く     (井上恵)

*本日の記事は、日時指定投稿です。コメントの返信は遅れるかも知れません、ご容赦くささい。

イメージ 5


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