■ よさこいを踊るがごとく土佐水木
( よさこいを おどるがごとく とさみずき )
昨日紹介した「ラッパ水仙」もそうだが、今黄色の花が非常に目立っている。今日取り上げた「土佐水木(とさみずき)」もその一つで、先週行った植物園では満開になっていた。
本日の掲句は、その土佐水木の「土佐」にかけて何か句ができないかと考えて詠んだ句である。土佐と言えば「坂本龍馬」、「鰹のたたき」、それから何があるだろうと思いめぐらしていた時に「よさこい節」を思い出した。
「よさこい節」といっても、最近はそれをアレンジした「よさこい鳴子踊り」が全国的に有名になっている。それは、スローテンポな原曲と違って、アップテンポで唄われ、踊りもリズムよく激しい。
掲句は、沢山ぶら下がった花をその踊り子に喩えて詠んでみた。賑やかな花の雰囲気と何となくあっているような気がする。「土佐水木」は春の季語。
因みに、土佐水木に関しては過去に以下の句を詠んでいる。
黒潮の風を感じて土佐水木
これも、「土佐」から「黒潮」を連想して詠んだ句。
水木といえば、ミズキ科の植物を思い浮かべるかも知れないが、土佐水木は、それとは全く別科の植物で、葉の形が似ているので水木という名がつけられ、土佐(高知県)近辺の山地で自生していたことから土佐が冠せられたとのこと。
因みに歌で有名な「花水木」はミズキ科の花で、土佐水木とは全く関係がない。
【土佐水木の参考句】
土佐水木良寛堂を燭しけり (松崎鉄之介)
野の川の向う明るき土佐水木 (東條未英)
着け睫つけたるごとし土佐水木 (永川絢子)
土佐水木峠は人の別れ径 (安岡清子)
空はまだをさなき色や土佐水木 (椎名智恵子)
土佐水木峠は人の別れ径 (安岡清子)
空はまだをさなき色や土佐水木 (椎名智恵子)