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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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水温むシンクロナイズに番い鴨

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■ 水温むシンクロナイズに番い鴨
                  ( みずぬるむ しんくろないずに つがいいがも )

イメージ 1一昨日は突然の雪で驚いたが、どうやら明日辺りからぽかぽか陽気になるそうだ。本日の掲句は、先週の土曜日に詠んだ句だが、そんな気候に相応しい句として掲載した。

カモ類の鳥は、近辺でも非常に多くみられるが、番い(つがい)で行動しているのをよく見かける。先日も賀茂川の中州付近で仲良く採餌しているのを見かけた。その姿が実にユーモラスで思わず笑ってしまった。

カモ類でもキンクロハジロなどは潜水が得意で身体ごと水に潜ることができるが、写真のオナガガモやマガモなどは身体半分だけつけて採餌する。番いで同時にやるとまるでシンクロナイズ・スイミングをやっているように見える。

*シンクロナイズ:同時化すること。時間的に一致させること。シンクロナイズ・スイミングは、技の完成度・同調性・技術的表現力などを競い合う水泳競技。

本日の掲句は、そんな情景を見て詠んだ句である。何度も何度も繰り返してやるので、しばし川岸に佇み、その妙技を楽しんだ。季語は「水温む」(春)。「鴨」は冬の季語だが、この句では考慮しない。

イメージ 2因みに、「水温む」では
過去に以下の句を詠んでいる。

    水温み池の杭にも苔ぞむす

これは、腐りかけた杭の先に新しい緑の苔が生えている景を見て詠んだ句。まさしく春の到来を感じさせた。

イメージ 3尾長鴨(おなががも)は、カモ目カモ科カモ亜科マガモ属に分類される鳥類の一種である。北半球に広く分布する大型のカモで、名前通りオスの尾羽が長いのが特徴である。(ウイキペディアより)

イメージ 4季語の「水温む」は初春から仲春にかけての雰囲気をよく表しており、それを詠んだ句も多い。以下にはネットで見つけた句をいくつか掲載した。

    【水温むの参考句】
     水ぬるむ頃や女のわたし守    (与謝蕪村)
     これよりは恋や事業や水温む   (高浜虚子)
     水温む静かに思ふことのあり    (星野立子)
     さざなみは神の微笑か水温む    (楠本憲吉)
     逆流をすこしこころみ水温む     (上田五千石)

イメージ 5

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