■ 春の雪余計なことよと思いけり
( はるのゆき よけいなことよと おもいけり )
まず目に入ってきたのは、満開の白梅に積もった雪。これも見る時期によっては風情があると思うはずだが、今回は少々痛々しく感じた。
他にも柊南天(ひいらぎなんてん)、椿、三椏(みつまた)、ビオラなどに積っていたが、何とも寒々しい。
本日の掲句は、そんな様子も見て詠んだ句である。いよいよ本格的な春の到来かと思った矢先の雪は、やはりいただけない。そんな思いをそのまま詠んだ。季語は「春の雪」。
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因みに「春の雪」「春雪」については、関連するものを含めて、過去に以下の句を読んでいる。
【関連句】
① 花待てば雪の花咲く春木立
② 春雪を被く真っ赤な椿かな *被く(かずく)
③ 春の雪スローテンポに鹿威し *鹿威し(ししおどし)
② 春雪を被く真っ赤な椿かな *被く(かずく)
③ 春の雪スローテンポに鹿威し *鹿威し(ししおどし)
②は、方々で見られるようになった藪椿の真っ赤な花に積もった雪を見て詠んだ句。白と赤の取り合わせが印象的だった。
③は、春雪が積もったある寺の境内で、その静けさを破るようにカーンという鹿威しの音が聞こえてきた時のことを詠んだもの。
参考句は「春の雪」「春雪」を詠んだものをいくつか集めてみた。
【春の雪等の参考句】
水に浮く柄杓の上の春の雪 (高浜虚子)
暁くらく春雪樹々をおほひけり (飯田蛇笏)
春の雪波の如くに塀をこゆ (高野素十)
鎌倉に春の雪積む一夜かな (松本たかし)
春の雪地につくまでを遊びつつ (細見綾子)