■ 森閑とスノードロップ咲く野かな
( しんかんと すのーどろっぷ さくのかな )
スノードロップは、直訳すれば「雪の滴」となるが、その名の通り花の色は純白で、垂れ下がるように咲く。本日の掲句は、その花が公園の野原に咲いている様子を見て詠んだ句である。
上五で使った「森閑」とは、「物音もせず静まり返っているさま」をいうが、森の中で人知れず咲いているイメージが浮かんだ。植物園以外ではまだ見たことがなく、自然の中でどのように咲いているかは分からないが。
尚、スノードロップは、12月頃から咲いており、名前からして冬の季語という印象があるが、和名の「松雪草」とともに歴とした春の季語になっている。掲句についていえば、感覚的には早春の句とした方が良いと思い、このまま残すことにした。
俯きのスノードロップ冴え返る
これは、昨年3月中旬に詠んだ句だが、この時は寒さがぶり返し大変寒かった。
花は、外側に大きな花びらが3枚、その内側から顔をのぞかせるように小さな花びらが3枚つく。内側の花びらは重なり合って筒状になり、緑色の大きな斑が入るのが特長。一本の花茎に一輪の花が付く。
別名に待雪草(まつゆきそう)、ガランサスなどがある。似た名前の植物にスノーフレーク(鈴蘭水仙)があるが、これは別属のもので4月~5月に花を咲かす。
「スノードロップ」を詠んだ句はほとんどないが、ネットで見つけた句を参考まで掲載する。
【スノードロップの参考句】
スノードロップ春告ぐ花として白し (山崎ひさを)
スノードロップ雲間より日の投げキッス (荒谷京)