■ 白梅も裸になればすさまじき
( しらうめも はだかになれば すさまじき )
こんな時は、花とは違った所に目が行くが、この日は、複雑に枝が曲がりくねっている梅の裸木に目が引かれた。本日の掲句は、その様子を詠んだものである。
この句の下五「すさまじき」は、「すさまじ」の連体形。漢字では、「凄まじ」あるいは「冷まじ」と書くが、その主な意味を列挙すると以下のようになる。
①恐怖を感ずるほどすごい。逃げ出したくなるほど恐ろしい。
②勢いや程度が異常に激しい。
③あきれるほどひどい。非常識きわまりない。
④物足りずさびしい。荒涼としている。情趣がない。
⑤さむざむしい。ひえびえする。
掲句では、これらの意味を併せ持って使った。
そんなこともあり、修正するべきか否か迷ったが、梅の裸木の景は晩秋にも見られたものであり、このまま残すことにした。「すさまじき」という言葉はやはり外しがたい。
【すさまじ、冷まじの参考句】
すさまじや此山奥の石仏 (正岡子規)
山畑に月すさまじくなりにけり (原石鼎)
閉づるなき眼冷まじ兵馬俑 (山田弘子)
和ろうそく作り冷まじ親爺の手 (高澤良一)
すさまじきものを咥へて猫帰る (長谷川櫂)
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