■ 公園の冬の噴水滾り立つ
( こうえんの ふゆのふんすい たぎりたつ )
噴水と言えば大抵夏を連想させ、見れば涼しげに感じるものだが、この日はさすがに寒々しい感じがした。ただ、時折雲間から日が射し、滾り立つ水がきらきらと光っている景は美しかった。
本日の掲句は、その時の様子を詠んだものである。下五の「滾り立つ」は、「滾る(たぎる)」を強調した言葉。「滾る」とは、「水がさかまいて激しく流れること」あるいは「激する気持ちがわきあがること」などをいう。
尚、「噴水」は夏の季語なので、本句は中七に「冬」を入れて冬の句とした。
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ところで、「噴水」に関しては、あまり感興が湧かなかったせいか、これまで句は全く詠めていない。そこで、今後のこともあり、少し「噴水」に関して調べて見た。以下の内容は、メモ的にウィキペディアから抜き書きしたものである。
●噴水は、字義通りなら「水を噴出するもの」ということになるが、日本語では上方向への噴出という意味合いが強い。その一方で英語における“fountain”は、公園などの水飲み場の蛇口や自然の湧水も含み、上方向とは限らない。
●日本で最古とされる噴水は兼六園の噴水で、1861年に前田斉泰が金沢城内に作らせたものである。動力は使われておらず、高低差を利用した位置エネルギーのみで動いている。
●現在噴水の高さ日本一は、寒河江ダムにより形成された人造湖「月山湖」に於いて稼働している「月山大噴水」で、112mの高さまで噴き上げる。世界でも第4位の高さを誇っている。
●日本で最古とされる噴水は兼六園の噴水で、1861年に前田斉泰が金沢城内に作らせたものである。動力は使われておらず、高低差を利用した位置エネルギーのみで動いている。
●現在噴水の高さ日本一は、寒河江ダムにより形成された人造湖「月山湖」に於いて稼働している「月山大噴水」で、112mの高さまで噴き上げる。世界でも第4位の高さを誇っている。
●世界の噴水のうち、高く噴き上げられる噴水で有名なものとして、アメリカ合衆国のファウンテン・ヒルズ(約170m)、スイス・ジュネーヴの「ジェドー」(140m)が挙げられる。
【冬の噴水の参考句】
噴水の蕭条として冬に入る (馬場移公子)
おもひでや冬の噴水喜捨のごと (河野多希女)
噴水に冬日のあたる別れかな (岩淵喜代子)
冬の噴水モービルアートめく動き (高澤良一)
噴水を冬もあげねばならぬ園 (橋本蝸南)