■ 秋深しモネも真似たるジャポニスム
( あきふかし もねもまねたる じゃぽにすむ )
2時間ほどかけて、じっくり見たが、日本の浮世絵などの構図や色を実際に真似たり、モチーフにした画家に、マネ、ドガ、ロートレック、ルノワール、ゴッホなど世界的に有名な画家か多数いたことを改めて確認できた。それは大きな驚きでもあり、誇らしくも感じた。
ポスターに描かれている「ラ・ジャポネーズ」は、クロード・モネ(フランス、1840-1926)が、最初の妻のカミーユをモデルに描いたものである。彼は、近代風景画の父として有名で、睡蓮を描いた作品は良く知られているが、初期には多くの肖像画を描いていて、これもその一つだそうだ。
本日の掲句は、そんな展示会を見て詠んだ句である。上五には、芸術の秋も深まってきたことから、「秋深し」をおいた。
ところで、ジャポニスムとは何か。要約すると、19世紀後半から20世紀初頭にかけて、西洋で起こった日本美術の流行現象のこと。ジャポニスムはフランス語で、英語ではジャポニズムという。
西洋では19世紀後半、写実主義も衰えてきて新しい美術が模索されていた。そこへ鎖国を解いた日本から独特の大胆な構図、色使いの浮世絵や工芸品が流入してきて、西洋の美術家を虜にし、特に印象派に大きな影響をもたらしたと言われている。
それから百数十年を経て、現在はアニメや漫画などで世界的な日本ブームが起こっていると聞く。日本には伝統的なものを大事にしながら、新しいものも積極的に取り入れるという美意識があるが、これからも独創的なものを世界に向けどんどん発信していって欲しいと思う。